92年に最初のモデルが登場したランサーエボリューションは、WRC(世界ラリー選手権)への出走を目的に2500台が限定生産されたランサーの最強力版。コンパクトなボディにスペシャルチューンの2000ccターボエンジンを積み、ボディ及びサスペンションの強化を図ったピュアスポーツ4WDセダンだ。
競技車両のベースとなるクルマゆえ、常に性能面のアップグレードが必要なのはこの種のモデルの宿命。したがって“ランエボ”も、これまで2世代のランサーに渡って都合6回もの内容の刷新が行なわれて来た。今回紹介するエボリューションVIIは、昨年フルモデルチェンジしセディアのサブネームを得た新しいランサーのボディをベースとしている待望の最新作である。
搭載エンジンは変わらず2000ccターボの4G63型を採用するが、昨年1月に登場した先代エボVIトミーマキネンエディションからトルクがさらに1kg-mアップし、280ps/6500rpm、39.0kg-m/3500rpmというパワースペックを実現している。宿敵インプレッサWRX STiにもトルクで1kg-mの差をつけたわけで、2000ccターボ究極のハイチューンエンジンと言っていいと思う。トランスミッションは5速マニュアルのみで、競技参加を前提としたRSには3〜5速間が接近したスーパークロスギアも設定される。
駆動系は従来と同じフルタイム式4WDだが、今回からセンターデフの差動制限装置をビスカスカップリングから油圧多版クラッチに変更し、これを電子制御でコントロールするACD(アクティブ・センター・ディファレンシャル)とした。減速時やコーナーからの脱出加速時は直結4駆に近い状態にして安定性とトラクションを高め、クルマが向きを変えるターンイン時は差動制限をフリーに近づけて旋回性能を高めるというような、状況に即した制御をやってのけるのがこのシステムの特徴。舗装路・砂利や濡れた路面・雪道と、路面状態に応じた制御パターンがスイッチで選べるようにしてあるあたりも、いかにもハイテク好きの三菱らしいところだ。
また、従来からランエボの武器であるAYC(アクティブ・ヨー・コントロール=左右後輪の駆動力配分をコントロールすることで旋回性能と安定性を高めるシステム)ももちろん継続して採用。前記のACDと統合制御を実現することで運動性能をさらに向上させている。
ブレーキは4輪ともブレンボ製で、フロントに17インチの4ポッド、リヤに16インチの2ポッドベンチレーテッドディスクを用いるが、これにもハンドル角センサーからの情報に基づき各輪の制動力を最適制御するスポーツABSが盛り込まれており旋回制動などの安定性を向上させている。なお、これらの装備はGSRに標準、モータースポーツベースのRSではオプションとなる。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リヤがマルチリンク式。これも従来の踏襲だが、ストロークの増大やトレッドの拡大などにより更なるポテンシャルアップを行なっている。軽量化を施しながら各部の補強を行なうことで剛性の強化を行なったボディとの組みあわせで、さらにシャープなフットワークが期待される。ちなみにタイヤは専用開発というアドバンA046で、サイズは235/45ZR17を履く。
※ 三菱 ランサーエボリューションVIIの
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