2003年も押し詰まった12月9日に、スバルから「R2」という軽自動車のニューモデルが発表された。一般的にはプレオの後継車ということになるのだろうが、プレオはベースグレードにこそ絞るものの、続投するらしい。一部パワートレインはプレオの改良型ではあるが、プラットフォームはオールニュー。つまりR2は、まったくの新型車と捕らえていいモデルなのだ。
この「R2」というネーミング、聞き覚えがある方も多いのではないだろうか。実は、スバル初の軽「スバル360」に続く2代目が「R2」という名前だったのだ。しかし21世紀のR2は、決して懐古的な意味で名づけられたわけではない。脈々と受け継がれているスバルのモノづくりへの想いが込められてはいるものの、あえて記号的な名称を付けることによって、従来との軽とは一線を画する新たな価値観をアピールしているのだ。
それはパッケージングを見てもあきらか。昨今の軽業界といえば、ひとつはマルチワゴン、もうひとつはタワーパーキングに入る全高1550mm群、という2つの流派に分かれている。そこにもってきて、R2の全高は1520mmなのだ。これだけでも「何かコイツは違うゾ」と、期待をもたせられるのは言うまでもない。ちなみにボディサイズは全長33950mm×全幅1475mm×全高1520(スーパーチャージャーモデルは15インチタイヤ装着のため1525mm)となっている。
R2のコンセプトは「個性的なデザイン&パッケージング」「優れた燃費性能&安全性」「使いやすくキビキビとした走り」の3機軸。3つともにおいて、安全性能が最優先されているのは言うまでもないが、この中でも主軸に置かれているのはなんといっても個性的なデザインだろう。
エクステリアデザインを見てもそれはあきらかだ。航空機メーカーをルーツに持つスバルらしく、翼をモチーフにしたスプレッドグリル、ダイナミックなフェンダー造詣。またサイドマーカーとドアハンドルをインテグレートしたサイドモールや、スバルエンブレム型のリアゲートハンドルなど、今までのクルマとは似ても似つかないカタチをしている。そこに実際の使い勝手や、楽しさを上手くミクスチャーしているのだ。
こんな芸当ができたのも、昨今の軽業界で追求されているスペース効率にあえてこだわるのをやめたからなのだ。軽の王道と言われている車種、つまりマルチワゴン軍団と微差を競い合うよりは新価値を求めた結果なのである。ワゴンRが築いた王国にチャレンジするのもリスクが高いが、まったく新しいステージに挑戦するのもリスクが高い。同じリスクならスバルらしさを選択したというわけである。
オールマイティ性能を目指すのではなく、あるところは犠牲もやむなし。軽だからといっていい訳をしない、ひとクラス上の上質感と、ワクワクさせるデザインを。これこそがR2の目指したところなのだ。グレードは1エンジンに対し1つとなっており、SOHCモデル「i」、DOHCモデル「R」ともに2WDとAWD、5MTとi−CVTが用意されるが、スーパーチャージャー搭載モデルの「S」のみ現在はMTの設定はない。価格は86万円〜140万円となる。