ホンダ インスパイア/セイバー
やはりホンダ車らしくエンジンが気持ちいい。可変吸気チャンバーとVTECの組みあわせで低/中/高速域の3ステージでフラットなトルクを得ているJ32A型エンジンは、3000回転手前で十分厚みのあるトルクを発生しており、ズシリとした手応えのある加速を味わわせる。それでいて、高回転までスムーズに一気に回るシャープさも兼ね備えており、特に5000回転という高回転域からクンともう一段伸びるあたりは快感だ。 新たに採用された5速ATも好印象だ。Dレンジ任せでの加速も滑らかで硬質な走り味を提供する。シフトレバーを右側のサブゲートに引き込み前後操作でマニュアル感覚のシフトを行なうSマチックもそこそこ反応がシャープで走りのリズムをつかみやすい。もちろんその際のシフトショックも軽くスムーズだ。 ハンドリングもなかなかしたたか。重いエンジンを積むFF車のわりには、ステアリングの切り込みに対するノーズの反応が正確でグイグイと曲がる。これはマイナー前からこのクルマの持っていた魅力だが、タイプSのより締まった足回りのおかげで反応はさらに鮮やかになった。 ただし、ペースを上げて行くと、最終的にはフロントが逃げ出す。このときのステア特性の変化は比較的大きめで、やはり重量級FFの宿命は消しきれていない。またボディ剛性もその領域ではちょっと物足りなさを露呈する。それまでのビシッと締まった乗り味から、ややフロントが暴れるような挙動に変わるのだ。 乗り心地は低速域で固め。不快なレベルとは言わないが、表面の荒れたところではコツコツとした突き上げがありちょっと落ち着かない。スポーティーな乗り味を好む向きには気にならないだろうが、アッパーミドルとしてはハードな方だ。ただし速度が上がるとこの固さがいい感じになる。
J32A:排気量3200cc・最高出力191kW/6100rpm(260ps/6100rpm)の連続可変バルブタイミング、ロックアップ機構付きトルコン、V型6気筒SOHC24バルブVTECエンジン。
乗り心地は低速域で固め。
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