室内はかなり広い。横方向は全幅がちょっと小さめなためさほど広がり感は無いが、長さと高さには余裕がある。床が低くシート高との関連も適切なので乗降性もスムーズだ。乗車姿勢もややアップライト気味でさらに空間を効率よく使えるようになっている。ただし、高さで広さを稼いでいる分、ライバルに較べるとちょっと実用車然とした雰囲気があるのも確かだ。
シートレイアウトは2列目がセパレート式の6人乗りと、ベンチ式になる7人乗りとがあるが、人気の中心となるのは間違いなく後者だろう。ちなみにベンチ式の2列目は左右3:7のスプリットタイプ。左右が独立してスライド&リクライニングが可能なのでどちらかにチャイルドシートをセットしても反対側を動かす事でサードシートへの乗り降りを可能にしている。
2列目/3列目の足元空間は余裕タップリ。4〜5人乗車の時は2列目のスライドを目一杯後ろにすることで足が組めるほどの空間が得られるし、定員乗車で3列目を使う際は、2列目を中央位置までスライドさせることで、各席に過不足の無い足元空間が得られる。乗用車タイプのミニバンの場合、どうしても3列目のプライオリティが低くなる傾向にあるのだが、イプサムは床に凹凸が無く足の置き場に困るような事が無いし、爪先が2列目シート下に入るためけっこうリラックスできる。これは立派。
シートそのものの造りも丁寧だ。2列目はフラット化の関係でバックレストが若干短く感じたが、クッションそのものはタップリしていて座り心地がいい。3列目も、やや固めな座り心地ではあるもののしっかりした着座感を実現している。バックレストのサイズも適切だ。3列目はヘッドクリアランス(頭上空間の余裕)はあまりないが、よほど大柄な人が座らない限り不満は出ないと思う。
シートアレンジは、2列目をフラットにしてサードシートで足が投げ出せるフラットモード以外は、主に荷物の積載性中心に考えられている。左右5:5のスプリット式サードシートはそれぞれの背もたれを前倒しするだけで、座面とともに前方に沈み込むフォールダウン方式。これを水平位置まで押し込むと、後端のラゲッジフロアボードと面一の広い荷室を作りだせる。2列目シートは座面を引き起こしてから背もたれを前倒しするダブルホールド式。これもサードシートと面一になるため、すべて倒せばマウンテンバイクの2台積みなども可能となる。
しかも新型イプサムはスペアタイヤ(テンパータイヤ)を車体中央の床下に収納することで後端の床下に深いスーパーラゲッジボックスまで設けている。定員乗車状態でもフロアボード下にべビーカーやゴルフバックが収まってしまう上、ボードを外せば長尺物を立てて収納することも可能。例えばスーツケースの2個立て積みなども出来てしまうのだ。オデッセイやMPVも同じように床が掘れているが、あれはサードシートの回転収納の副産物。イプサムはそれを荷物専用にわざわざ設定しているところが面白い。この床が掘れたラゲッジスぺースは走行中の荷物の移動が気にならず実に重宝だ。唯一気になったのは、リヤゲートの開口部分が高く、重い荷物の積み下ろしがちょっと難儀な事。デザインとの兼ねあいでこの高さになったそうだが、トヨタ車はおしなべてリヤゲートの開口部が高い。