フロントシートはちょっと着座位置の高いシート高620mm。腰の上下移動量が少なくスムーズに乗り降り出来る高さだ。また乗用車よりちょっと高いポジションも安心出来る。ただ、ステアリング位置がちょっと下にある感じはする。チルトで角度は変わるが支点そのものがもう少し上にあると、上背のある男性でも自然なポジションが取れると思う。
運転席周りに収納スペースが豊富に用意されているのは親切だ。ダッシュボード上にB5版の大きなリッド付きボックスが付く他、インパネのセンターパネル左右にも大きなポケットがある。また、助手席前には棚、ダッシュボード両側にはカップホルダー状のポケット、助手席下にはアンダートレイもある。さらに、ドリンクホルダーは助手席座面横2個分が別に用意されるといった具合でとにかく収納が多い。
インテリアはSエアロツアラーが黒基調。それ以外は明るいベージュ基調となる。Gセレクションを選ぶとインパネに木目調パネルが張られ、質感はなかなかに高い。
セカンドシートは左右3:7の分割式で、それぞれが前後に150mmスライド可能。最後位置にセットしたときの足元スペースはかなり大きくリラックス出来た。後席に2名が乗るときは中央シートの背もたれだけを前倒れして大型アームレストとしても活用可能。こうすると更に快適度は増す。また、このセカンドシートは3:7分割を別々に背もたれを前に倒して座面ごと引き起こす事も可能。サードシートを使うときはこうしてシートを起して乗り込む。さらに引き起した状態でゴムバンドで固定すれば後部キャビンを広いラゲッジルームとすることももちろん出来る。
もうひとつ、これはオプションだがセカンドの座面両側には引き起こしてジュニアシートとなる機能も用意される。この辺はスパシオが昔から子供連れ専用車としてやって来たなごりと言えなくもない。ちなみにこのジュニアシートは4歳から10歳程度の子供のシートベルト装着を適性位置にするという。
さて、注目のサードシートだが、これの展開はリヤゲートを上げて後方から操作する。フロアの把手を持って後方に引き上げ、次に足となるパイプ部分の黄色いレバーを左に押しながら座面になる部分を倒すとあっという間に完成。セットは実に容易だ。
で、その座り心地なのだが、セカンドシートを中央位置にセットしても、レッグスペースは十分ではない。フロアが高くなっているため太股を起して膝が急角度に折れる姿勢を強いられる、満腹時などはちょっと苦しいだろう。パイプにメッシュ状のクッションを張り渡しただけのハンモック状軽便シートのため、キチンとお尻をハンモック内に納めないとフレームのパイプが身体に当たる事もある。
ただ、冒頭にも述べたように、これはあくまでも緊急用のシートなのだ。出先で友人に会ったとか、親戚が来て駅まで迎えに行くとか、そうしたごくタマの機会にあと2人が座れるスペースが作れることが重要なわけ。だからこの程度の機能でいいと思う。折り畳んだときは厚さ7cmで、ラゲッジルームの床下にキレイに納まってしまい、積載性も一切阻害しないというのだから、これはこれで十分存在意義がある。