スウェーデンにはボルボとサーブの2つの自動車メーカーがある。自動車業界の再編成の中、ご存知のようにボルボはフォードグループ、サーブはGMグループに属するわけだが、どちらも以前と変わらずに個性的かつ実用的なクルマ作りを続けており、日本においても根強いファンが多い。今回紹介する9−5(ナイン・ファイブ)は、セダンとワゴンの2つのボディバリエーションを備えるサーブの上級クラスを担当するFFサルーンだ。
2002年モデルとして発表された9−5は、ラインアップに大きな変更を受けた。セダン/ワゴンともにグレードをリニア、アーク、エアロの3種に絞り込み、それぞれに異なるエンジンと仕様/装備が与えれるようになったのだ。
まずはエンジンの解説から。リニアに搭載されるのは2300ccの直列4気筒DOHC16バルブで、低圧のターボチャージャーを組み合わせて185psを得ている。航空機メーカーでもあるサーブはいち早くターボを導入したが、今も展開には導入に積極的で、言わばシリーズのベースモデルであるリニアにも採用しているわけだ。これに伴い昨年まであった2000ccモデルは消滅している。
アークは9−5シリーズのラグジュアリーモデルと言うべきグレードで、これにはV型6気筒の3000ccエンジンが搭載される。もちろんこれにも低圧ターボが組みあわされ出力は200psを実現した。そして最もスポーティーなエアロにはリニアと同じ4気筒2300ccにハイプレッシャーターボが組みあわされ、250psを絞り出している。呼称も他のライトプレッシャーが排気量の後に小文字のtを付けるのに対し、エアロはTS(ターボ・スポーツ)と大文字表記になる。なおミッションは全車5速ATが標準だが、エアロのみ5MTも選べる。この辺もスポーツモデルらしい展開と言えよう。
リニアとアークに関しては、ホイールが異なる程度で外観にあまり大きな違いは無い。ただ、エアロはその名の通りバンパー下とサイドシルに空力を向上させるエアロパーツが装着されている。インテリアも各モデルに微妙な違いがあり、リニアはクロスシートが標準でレザーがオプション、アークはレザーシートが標準、エアロはスポーツレザーシートが標準だ。インパネはリニアとアークが全面ウッド、エアロはメタル調の物が採用されるなど雰囲気も微妙に違う。
価格はリニアがセダン435万円/ワゴン460万円、同じくアーク515万円/540万円、エアロは530万円/555万円となっている。ハンドルは全モデルで右と左の両方が選べる。今回はその中から、エアロ2.3TSエステート、すなわちワゴンの最もスポーティーなモデルを中心に紹介して行こう。