コンパクトカーで気になるのが室内の広さだと思うが、これは十分に確保されている。横方向の広がりが効いていて、先代のようにフロントシートに大柄な男性が2人乗っても肩が触れ合うような狭苦しさを感じる事は無くなった。後席の足元スペースもかなり余裕が出て来ており、爪先が深くフロントシート下に入る事もあってゆったりとしている。このクラスでのキャビン容積はフィットがダントツで、確かにあれほどの空間の広がりを感じる事は無いのだが、マーチはシートの座面長に余裕を持たせるなどして、乗員を包み込むような快適な乗車感を実現しているのが魅力と言えよう。
インテリアの質感の高さも、新型マーチの大きな財産のひとつだ。ドアオープナーやウインカー&ワイパーレバー、エアコンなど各種のスイッチがほぼ専用デザイン(今後日産の小型車が様々に活用するはずだが、今のところ専用)となっている。見慣れたパーツが並んでいるよりはるかにもてなし感があるし、何よりインテリア全体のデザインに統一感が出ているのが魅力だ。
インパネはカチカチのハードフェイシアだが、サーモ・プラスチック・オレフィンという素材を表面に一枚被せそれを型に入れて整形する新しい製法を採用しており、これまでの樹脂の表面にシボを打った物よりソフトで暖かみのある風合いを出している。また、インパネ/シート/ドアトリムといったインテリアカラーに、白に近いベージュのエクリュ、赤みのあるシナモン、落ち着いたグレー系のクリークと3色用意しているのも良いセンスだ。組み合わせは外板色によって決まってしまうが、そのボディカラーも新色を含め合計12色というワイドバリエーションである。
装備面で新しい試みが見られるのも新型マーチの特徴のひとつだ。5ドアの1400ccモデルにはインテリジェントキーが標準装備される。これはキーを身に着けていれば、ノブやスターターに鍵を挿さなくともドアの開閉やエンジン始動が出来るというもの。これまで一部の高級車には採用例があったが、このクラスには初の採用で実に便利だった。
また、携帯電話を接続し専用サイトへアクセスすることで新着ニュースやメールを読み上げてくれたり、詳細地図をダウンロードするナビ機能を活用できるカーウイングスという新情報サービスも始まった。試乗中にナビ機能を使ってみたところ、地図情報をダウンロードするのに多少時間がかかったが、たまの遠出で使うのならかなり重宝するはずだ。もちろんナビの使用頻度が高い人には、これまで通りのナビゲーションシステムもオプション設定されている。
ラゲッジルームの広さはそこそこ。奥行き/幅ともに広さは並みだが深さはけっこうある。開口部の段差が大きいが開口部が比較的低いので使い勝手はまあまあ良いはずだ。後席は左7:右3のバックレストのみの分割可倒式。倒した時にシートバック分の段差は残るが、この辺の使い勝手はクラスの平均値と考えて良いと思う。