期待のV6エンジンは、ドカーンとパワーが出るタイプではないものの、ジワーッと下からパワーが盛り上がっていくタイプ。ナチュラルな感覚でスムーズに高回転まで回っていってくれるし、トルクの出力特性もフラットなので扱いやすく、全体的に見てチカラ的にも不足はないので、余裕たっぷりに気持ちよさを満喫できる。
この気持ちよさにひと役買っているのが、新開発の5速AT。ATCUを採用することで、電子制御システムにより4つのセンサーでバッチリ監視測定されていて、スロットルポジションと車速によって、インプットされている10のモードの中から最適なシフトマップを自動的にチョイスしてくれるのだ。主なモードとしては、シフトUPのタイミングを高い回転域で行うスポーツモード、追い越し時などペダルから素早く足を離した時のシフトUPを抑制するファストオフモード、登坂時のハンチングを防ぐアップヒルモード、下り坂でエンジンブレーキを作動させるダウンヒルモード、渋滞時に2速発進を行ってくれるストップ&ゴーモードなどなど。これら10のモードにプライオリティを持たせ、最適な作動モードの選択には、迷いもミステイクもない。
さらにこのATには、MTゲートが用意されている。右側にゲートがついているので、小柄な女性でも無理なく手が届く位置にあり、シフトチェンジのレスポンスもよく、また結構な高回転域でもシフトダウンに応えてくれるので、かなりスポーティなドライビングが楽しめること請け合いだ。
それもこれも、スポーツドライビングに応えてくれる足回りがあるからこそ。さすが上級モデルだけあってヒラヒラとした感じではないが、ドッシリかつシャープといったところ。大きな路面ギャップの入力の収まりも早いし、細かい突き上げも上手にいなしてくれる。直進はもちろんコーナリング時の安定感もかなりのハイレベルな仕上がりだ。セダンとワゴンの違いを言えば、セダンの方がより身軽な印象を受けた。そして、ブレーキのフィーリングもお見事! ハイスピードからのブレーキングでも驚くほどの安定感で、リアル感覚でコントロールできる。安心してドカンと踏んでも、街中でチョコチョコ踏んでも、どんな踏力にも自在に応えてくれるので、とても使いやすい。ハンドリングも適度にシャープで、狙い通りにトレースできるという感じだ。ただし、ステアリングやペダル類など、どれもドッシリとした操作感なので、私的には安心感があって好みなのだが、もしかすると女性からは重たいという声が聞こえてくるかもしれない。さらに欲を言えば、もう少しタイヤのキャパシティが高い方が、V6モンデオのパフォーマンスを存分に発揮できるのではないかなと思った。
そして気になる乗り心地は、多少路面が荒れていても快適そのもの。助手席でもその印象は変わらず、ロングドライブでも疲労感は少なそう。しかしあまりの乗り心地のよさにセダンの後席では、ホント些細なフロアの微振動や、Cピラー付近から入ってくる風切り音が逆に気になってしまう場面もあった。でも、普通の高速巡航速度なら、前後席での会話がラクにできるくらいは静粛性も高い。
つまりV6モンデオも、Dレンジに入れっぱなしでも十分楽しめるが、MTモードでガンガン走りたい人にも十分に応えてくれる、大人のスポーツセダンに仕上がっていたということだ。