アルファロメオは眺めているだけでも飽きないクルマなので、静的チェックはいくらでもできる...が、ともかく走り出してみる。
すると最初に感じたのは、呆気ないほど運転しやすいことだった。エンジンをスタートさせると、排気音こそ図太くそれは性能を予感させるものだが、クラッチは踏力も軽いし、シフトもスムースで、これらはいずれもこれまでのノーマルのV6モデル(の6速MT車)よりもやりやすく感じるほど。パーキングスピード時のステアリングも不必要に重くない
シズシズと“動き出して”みた範囲では、乗り心地も悪くない。低速あるいは街中で身体が上下に揺さぶられないし、目地など強いショックも、想像以上にカドが取れている。走りのために強化されたサスペンションは、副次的に乗り味の快適性もアップさせているといっていい。
そしていよいよオープロードへ。するとGTAは、はやりGTAならではの走りを披露してくれた。搭載されるV6はもともとパワーフィール/音ともに“スウィート”だが、その美味しさが素直に全域にまで拡大されたというべきか。7000rpmの許容範囲までのスムースさはベースのV6以上で、パワー/トルクともに手を焼くことのない範囲で上乗せされているので、とにかく気持ちよく、扱いやすくて、スポーティかつスムース。
3000rpmあたりから盛り上がる例のクォォォォ……のエンジン音も、澄んだ快音。また2速発進さえ許すほど、低速側のトルクに厚みが増しているのも、ノーマルのV6モデルのオーナーが乗ったら、きっと羨ましがるに違いない。
ハンドリングも実に自然だ。ステアリングは1と3/4回転しかしないほどクイックだが、実際にはステアリングの切れ角で90度手前あたりから切れ込んでいき、ワインディングでキレのいい回頭性を示す。が、決してジャジャ馬なのではなく、リヤのグリップもキチンと使いながらコーナーを抜ける様は、日本仕様のノーマルのV6(スポーツサス仕様)より、むしろ安定していて挙動も穏やか。
無論、積極的なドライビングに対しいくらでも応えてくれる“足”に仕立てられている。アルファロメオらしい“スウィートさ”はそのままに、走りの“懐の深さ”を現代的センスでさらに高めた、アルフィスタなら(もちろん、ならずとも!)気になる1台だ。