オペル ベクトラ
走りも劇的に変わっている。エンジンフィールが格段にスムーズになっているし、音や振動もかなり減った。これまでのオペルは快適性に関してあまり熱心とは言えず、実直だが少々ゴワゴワした持ち味だったが、この辺が劇的に改善されているのだ。クルマによってはエンジンを高回転まで引っ張ると室内部品が無粋なビビリ音を出していた物もあり、この辺のクオリティにはまだ詰める余地が残っているものの、その点を除けばプレミアムサルーンと呼ぶに相応しい快適性だと思う。 2200ccの直4エンジンはアストラクーペのように低速域でのモリモリとしたトルクを強調したものではなく、全域フラットでフワ〜っと伸びて行くタイプ。山坂の多い日本の山道ではもう少し低速寄りの味付けでも良かったように思うが、トルク変動の少なさが走りの滑らかさや穏やかさに結びついている。それに、トルク感の希薄さはアクティブセレクトの5速ATをマニュアル操作すればかなり改善される。シフト操作に対する反応はそこそこといったところだが、5速あるためコーナーの曲率にあったポジションを選びやすく、したがってスポーツ派もそこそこ満足が行くはずだ。 ステアフィールもやや重めながら締っており良好。電動で油圧を起こす方式を採用している上、制御方法もかなり凝っておりタッチが自然だし、路面からの接地感もビビッドに伝わって来る。このフロントタイヤの明確な接地感はハイドロフォーム成型で高剛性を実現したサブフレーム構造に負うところも大きい。また、サスペンションにアルミを多用しているのも軽快なフットワークと乗り心地を両立した大きなポイントだろう。 乗り心地は16インチタイヤを履いた標準仕様はややリヤからの突き上げが大きく感じた。17インチは全体に当たりが固くなるものの、前後バランスはむしろ16インチより良好で締った乗り心地と言って良いと思う。コーナーでのロールは非常に少なく、ステア操作に対してキビキビとクルマが反応してくれるし、安定感もあるレベルまでは高い。ただ、追い込んで行くとリヤがやや腰砕け気味で流れ出すのは気になった。 もちろんそうした領域では今回から3チャンネル制御になったESPプラス(ブレーキの個別制御で安定性を高めるエレクトロニックスタビリティプログラム)が介入して姿勢を安定方向に振るが、もう少しサスそのものの性能も上げて欲しい。また、路面のアンジュレーションにESPが過剰に反応してしまうのも、今後の改善ポイントだ。
Z22:排気量2200cc・最高出力108kW/5600rpm(147ps/5600rpm)直列4気筒DOHCエンジン。
コーナーでのロールは非常に少なく、ステア操作に対してキビキビとクルマが反応してくれる。

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