プジョー 406スポーツ
新開発の2200ccエンジンはフラットトルク。つまり回転域の限られた範囲で勢いを増すのではなく、全域で均一に力を発揮するタイプだ。車名のスポーツという名前から刺激的な走りを想像しがちだが、高回転までビンビン回してパワーを稼ぐのではなく、厚いトルクを生かしたダイナミックな走りを持ち味としたモデルなのである。吸気側に可変バルブタイミング機構を採用したこともあって特に2000回転あたりの低速域から十分なトルクを発揮するため、スタート直後から力強い加速を味わわせる。この辺が初期加速でやや線の細かった2000ccモデルとの大きな差だろう。 5速のマニュアルトランスミッションはストロークはやや大きいものの、タッチは良好でコクンと決まり気持ちいい。トルクフルなエンジンと、その持ち味を存分に引き出せる5MTとの組み合わせは、ヨーロッパ車の爽快な走り味そのままと言って良いだろう。各ギアでじっくり引っ張れば伸びの良い豪快な走りが楽しめるし、柔軟な性格のエンジンはさほど厳格にシフトダウンする必要もなく、ズボラな運転にも対応するのだ。日本の道路環境(速度レンジ)では全体にややハイギヤードな感もあり、特に2速はもう少し低くしてダッシュ性能を高めても良いと思ったが、この辺を変えてしまうと本来の持ち味が薄まってしまう可能性もあるので難しいところだ。 もうひとつ、406に乗っていつも感心するのがフットワークだ。近年のプジョーは足回りをやや堅めのセッティングに移行させる傾向にあるが、406には以前のしなやかで路面をやんわりと包み込むような粘っこい持ち味を色濃く残している。乗り心地は当たりが柔らかく非常に快適だし、接地性も非常に高く攻め込んでも滅多な事ではタイヤは路面を離さない。つまり乗り心地とハンドリングのバランスが非常に高いのだ。5MTで左ハンドルという事でユーザーは限られてしまうだろうが、欧州車の爽快な走りを味わいたいのなら、このプジョー406スポーツはぜひ試していただきたい一台である。
排気量2200cc・最高出力116kW/5650rpm(158ps/5650rpm)直列4気筒DOHCエンジン。
乗り心地は当たりが柔らかく非常に快適だし、接地性も非常に高い。
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