メルセデスベンツ Eクラス
エンジンによる走りの違いははっきりとあるが、最もベーシックなE240も中〜低速トルクがキッチリと出ているため、さほど鈍足な感じは無い。実用にはこれで十分。 先代と較べても走りは相当軽快になった。しかし、もっともバランスが良いのは、やはりE320だ。出足のシャープさや中〜高速域の伸びが実に気持ち良く、ハンドリング/フットワークともに軽快になった新型Eクラスの良さが余すところなく堪能出来る。 これに対してE500はちょっと過激な味付け。図太いトルクに頼る加速は強力無比だが、そのレスポンスがあまりに良いため、電子制御スロットルで出足を意図的にマイルドにしている。それはそれで良いのだが、後からズシリとしたトルクが出る瞬間にアクセルを戻し再び踏み込んだりすると、ちょっとギクシャクとした荒さにつながる事があるのだ。それに加速中にキャビンに響くエンジン音などもV6のE320に較べるとちょっと大きめに感じる。 ところで、新型Eクラスにはブレーキを電子制御するセンソトロニック・ブレーキ・コントロールがSLに続き全車に採用されている。反応速度が速く、いつでも最良の制動性能が得られるよう降雨時はブレーキングにディスク面の水滴の除去なども行なうこのシステムは、どんな状況下の急ブレーキでもまるで魔法のようにスムーズに、かつ強力に速度を殺す。ESPとの統合制御で安定性は抜群だし、従来のABSのような不快なペダルへのノックも無い。このブレーキだけでも新型移行の価値は十分にある。 フットワークは、フロントサスが新開発の4リンク式になったせいか、よりシャープでキビキビとした動きを身につけた。今度のEクラスはスポーティーな走りへの期待にもこれまで以上に応えてくれる。 その上魅力的なのがE500に標準装備のエアマチックDC(デュアルコントロール)サスペンション。空気バネと電子制御の可変ダンパーを組み合わせたこのサスはシフトレバー手前の切り替えスイッチで3段階の固さを任意で選べるほか、クルマの方が状況を判断して、4段階の切り替えも自動で行なう。いちばん「柔らかい」状態にセットしたときの乗り心地は高級サルーンの名に恥じないもの。それでいてしっかりとした腰があり、車体を常にフラットに保つ。一方、最もハードな設定では、サーキットランもこなせるほどのしたたかさだ。このサスペンションはE320でもスポーツパッケージを選べば装備する事が可能。エンジンのキレの良さやノーズの軽さから来る軽快なハンドリングを楽しめるこの仕様が、新型Eクラスのベストチョイスだと思う。
112M26:排気量2600cc・最高出力130kW/5700rpm(177ps/5700rpm)V型6気筒SOHCエンジン。
112:排気量3200cc・最高出力165kW/5600rpm(224ps/5600rpm)V型6気筒SOHCエンジン。
113:排気量5000cc・最高出力225kW/5600rpm(306ps/5600rpm)V型8気筒SOHCエンジン。
今度のEクラスはスポーティーな走りへの期待にもこれまで以上に応えてくれる。

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