巨大なドアは特別なリンク機構を持っていて、ドア全体が前に迫り出しながら開く。これにより、横方向にあまり飛び出さずに十分なドア開口を得られるようになっているのだ。リンク機構のため、開閉に必要な力がやや大きめなのが気になったが、建て付けはとてもしっかりしていた。
シート位置はやや高めだが、国産大型ミニバンのように、コクピットによじ登るような感じではなく、ちょっとお尻を持ち上げる感じでスムーズに座る事が出来る。フロントシートはかなり大柄で、本革の張り方などもしっかりしており、とても質感が高い。
インパネを中心とするインテリアもかなりユニークだ。スイッチ類は数が少なくなるように整理されており、インパネ中央にあるのはリヤデフォッガとハザード、それに後部窓の開閉を規制するチャイルドロック機構のみ。エアコンパネルはダッシュ右側にコンパクトにまとめられているし、ドアロックやESPスイッチはフロアコンソールにひとまとめにされている。オーディオはリモコンでオン・オフし、ボリュームなどはステアリングのサテライトスイッチで操作する。
このようにスイッチを整理した事と、計器類をセンターメーターに集中配置した事で、アヴァンタイムのコクピットは樹脂パネルの面積が多いノッぺリとした物になった。驚くのはそうしたパネルがすべてダンパー付きでソフトに開閉する事。グローブボックス、センターの引きだしスペース、ダッシュ中央のリッド付きボックスなどとにかく収納スペースが多い。
リヤシートは3人分のシートベルトを備えるが、かなり立体的な形状のシートなので左右の2名は快適だが、センターの座り心地はあまり良くなさそうだ。足元スペースもさほど広くなく、しかもフロントシート下に爪先が入らないので、やはりこのクルマのパッケージはフロントシート優先という事が分る。この辺がアヴァンタイムをクーペと呼ばせるゆえんだろう。
天井は巨大なガラス製ルーフとなっており、前半分はアウタースライド式で開く。ロール式のサンシェードを開け放つと開放感は非常に大きい。サイドウインドーもピラーレスで超巨大だからすべてを開くとちょっとしたオープンカー感覚だ。運転席の頭上にはワンタッチですべてのガラスを開くスイッチが設けられているが、高速道路を走っている時に開けてしまうと、風圧で車内にあるものが飛ばされそうなので注意した方が良い。
ラゲッジルームは5人乗り状態でも530リッターと容量はかなり大きい。リヤシートは左右3:7の分割可倒式で、座面を立ち上げヘッドレストを抜いてシートバックを前倒しするダブルフォールドで最大900リッターまで荷室を拡大することも出来る。また、パーセルシェルフを外してフロアに移すと、荷室とアンダーフロアボックスの二重構造として使う事も可能。こうした豊富なアレンジはちょっとミニバン風だ。