ボルボの定番ワゴンとして特に人気の高いV70。ここに紹介するXC70は、その車高を高めて215mmという本格オフロード4WD並みの地上高を持たせたワゴンとSUVのクロスオーバーモデルである。この種のクルマはレガシィのランカスターが元祖で、折からのSUVブームに湧くアメリカで高い人気を得た事から、ボルボやアウディなどの高級ワゴンメーカーが続々と同じ市場に参入している。
クロスカントリーの愛称を持つこのクルマは、昨年までV70XCと呼ばれていた。しかし今回紹介する03年モデルからはXC70に名前も改めている。理由はボルボが今後このクロスカントリーをシリーズ化するからだ。海外ではこのXC70の上を行く、本格SUV風ボディのXC90がデビューしている。これは日本にも近々導入されるはずだが、ともかくボルボはXCをシリーズ化してラインアップの新しい柱に育てて行くと思われる。つまりそれだけの将来性が見込めるジャンルなのだろう。
03年モデルとして登場したXC70には2つの改良が施されている。ひとつはエンジン。直列5気筒のライトプレッシャーターボという構成は変わらないものの、排気量がストロークアップによって2434ccから2521ccになった。同時にエンジン内部にも手が入り、パーツが軽量化されたりフリクションを低減する改良が行われている。さらに排気系やターボの効率アップも図られ、最高出力は200ps/6000rpmから209ps/5000rpmへ。最大トルクは29.1kg−m/1800〜5000rpmが32.6kg−m/1500〜4500rpmとなっている。
ここで注目したいのは、出力が向上すると同時に、その発生回転数が低められていること。つまり低回転から力強くなる方向のチューニングを受けたわけである。これに伴い燃費性能も向上し10・15モードで9.2km/Lとなったし、日本の優−低排出ガス認定を受けてもいる。ターボエンジンでこれは立派だ。
もうひとつの改良ポイントは4WDシステム。これまではオイルの粘性を利用したビスカスカップリングを使って、前輪が滑った時に後輪にトルクを回すようになっていた。今回もその作動形態は変わらないのだが、システムをビスカスからスウェーデンのハルデックス社が開発したハルデックス・カップリングに変更している。前/後輪の回転差で油圧を起こし、湿式多板クラッチを作動させて後輪へのトルク配分を行うハルデックス・カップリングは、電子制御の採用もあり反応速度が非常に早いのが特徴だ。
以上の改良で価格はベースモデルが495万円に、ギアトロニック(ATのマニュアルシフトモード)やパワーシート付きの上級グレードXC70 2.5Tが535万円となった。それぞれ5万円ずつアップしたわけだが、この種の高付加価値モデルとしては依然として手頃と言える価格設定だ。また、期間限定車としてベースグレードに運転席パワーシートやハイパフォーマンスオーディオを追加したブラックエディションも登場している。こちらは498万円となっている。