97年に初代モデルが登場したハリアーは、色々な意味で画期的なクルマだった。それまでのオフロード4WD(今流に言えばSUV)は、荒れ地を走り回る事を想定し車体を強靱に仕上げるため、フレーム式のシャシの上にボディを載せる手法で作られるのがほとんど。ただ、これは確かに頑丈に出来るが、車高が高くなりがちだったり、車重が重くなるといった欠点もある。それにオフロードと言っても凹凸の激しい本格的な荒れ地を走る機会は、一般のユーザーには稀。そこで、乗用車のシャシをベースに十分な地上高を与え、内外装も上級セダン並に豪華で快適に仕上げたハリアーが開発されたのだ。
こうしたハリアーのコンセプトは、アメリカで大好評を博した。ピックアップトラックをゲタ代わりに使う人が多いアメリカでは、車高の高いSUVにもともと親しみを持っている。それに、広い国土を持つアメリカはフリーウェイを抜けると周囲は砂漠なんてロケーションも多く、4WD性能に対する需要は日本よりも高い。そこに乗用車的な操縦感覚や乗り心地を持ったハリアーが登場して高い評価を得たというわけ。特に敏感に反応したのが女性。ステーションワゴンが衰退し、ミニバンも所帯じみたクルマというイメージが強くなった中、トヨタの高級チャンネルであるレクサスから売られたハリアー(北米名レクサスRX300)は、お洒落なお母さんが乗るファミリーカーとして認知されたのだ。
今回紹介するのは、そのハリアーの2世代目モデルである。ボディサイズを少し拡大し、ホイールベースも100mm延長した上、スタイリングもリヤゲートの傾斜を強めるなど、より精悍な方向に変身したこのモデルは、今年のデトロイトショーでRX330として世界デビューを果たした。初代モデルが登場したあと、世界の高級車メーカーも続々とこのジャンルに参入(BMWのX5やポルシェのカイエンなど)して来ているので、トヨタとしてはよりスポーティーな演出を行なったというわけなのだろう。
北米モデルはパワー志向が強いため、エンジンは3300ccのV6を新たに搭載したが、日本向けのハリアーには、これまで同様3000ccのV6と2400ccの直列4気筒エンジンが搭載される。ただし進化はもちろんしており、可変バルブタイミング機構のVVTーiを採用した他、各種の制御系の改良により燃費や排ガスのクリーン化などを行なっている。ちなみに排ガスは全車星3つの超ー低排ガス認定となっている。
ミッションは3000ccV6が5速、2400cの直4が4速ATで、それぞれマニュアルシフトが可能なシ−ケンシャルシフトを備える。駆動は4WDの他、FFの2WDも用意。ちなみに4WDシステムは、2400ccはビスカス式センターデフ方式とこれまでと同じだが、3000ccの方はセンターデフに差動制限機能を持たせず、滑った各輪をブレーキで抑え込んでトラクションを確保する新方式を採用している。
また、最上級のAIRSというグレードには、オフロードでは車高を高めて走破性を、オンロードでは低くしてハンドリングを、さらにイグニッションオフではさらに車高を低くして乗降性を高める電子制御式のエアサスペンションを装備している。以上の内容を持った新型ハリアー。価格は4WDのAIRSが最高額で367万円、下は240GのFFで249万円からとなっている。