まず最初に感動するのはボディのシッカリ感だ。ボディ全体の50%以上にハイテン素材を使用したのが効いているのか、ボディ剛性の高さがヒシヒシと感じられ心地イイ。そして、同じく心地よさを感じるのがハンドリング。際物のスポーティカーのようにシッカリと握り締めていないとダメなんてことはく、狙ったラインをスッとトレースすることができ、この適度にシャープなフィーリングがイイのである。ちなみにこれは車両速度やステアリング舵角速度から、必要なアシスト量を3次元マップにより制御する電動油圧パワーステアリングのおかげ。ステアリングレスポンス的にオペル社内では、スポーティセダンではなく完全なスポーツカーに位置する設定となっている。
そしてこのハンドリングがいちばん威力を発揮するワインディングでは、これまた適度に引き締められた足回りが効いていて、コーナーに吸い付くようだとか、張り付くようだとまではいかないものの、最近の欧州車にありがちなロールが抑えられた走り味は、かなりの気持ちのよさを味わうことができる。アクセルレスポンスもよく、中間加速でカッタルさを感じることもなく、またブレーキ性能も、不利と言われるなFF車の中でもトップレベルの性能を誇っているなど、十分スポーツドライビングを楽しむことができるのだ。
ちなみにブレーキのリニアなコントロール感は若干だが2.2Lの方が上。これは車重の違いによるものなのかもしれない。そんな気持ちよさが手伝って、少々調子に乗ってコーナーに突入してしまっても、コーナリングブレーキコントロール機能を備えた最新世代のABS、ブレーキ制御を最大3輪まで拡大した新世代のEPS及びトラクションコントロールなどの素早い対応で、どこかに飛んでいってしまうような怖さはない。
もちろんこれら最新鋭装備の介入をカットすることもできるが、介入がそんなに早すぎるほうではないので、ドライバー自身によるドライビングの気持ちよさは決して失われることはないはずだ。また、こんな場面でこそ活躍させたいアクティブセレクト付5速ATも、非常にレスポンスがよく積極的にシフトチェンジを楽しみたくなってくるフィーリングを持っている。
変速時のショックもないので、スポーツ走行時はもちろんのこと、Dレンジに入れっぱなしの通常の走行でも同乗者が不快な思いをすることはまったくなさそうだ。その街中や高速域だが、3.2Lモデルは高速域は硬すぎず柔らかすぎない乗り心地といった感じでいいのだが、通常領域である60〜80km/h付近では、若干フロント部がポンポンと跳ねるような動きを見せる。この辺りは2.2Lモデルのほうがバランスがよさそうだ。
さて後席のフィーリングだが、3.2Lモデルは後席もシートヒーターを装備するなどおもてなし感はそこそこ。2.2Lモデルはシート地がファブリックのためか若干アタリが硬いが、長距離ドライブでも苦痛といったほどではなさそうだ。ハッチバックという形状から、前席に比べれば音は入ってくるが、前後席で会話を楽しむには十分なレベル。街中の普段使いからワインディングのスポーツ走行まで幅広く楽しめる、スタイリッシュな1台といえるだろう。