まずいちばん驚いたのは、4.1mという最小回転半径だ。これぞ軽自動車という感じの小回りが効きは、狭い街中では最大の威力を発揮するに違いない。14インチタイヤが奢られたRRにしたって4.4mという小ささ。もうUターンも車庫入れも怖いものナシという感じだ。
次に驚いたのは足まわりのよさだ。フロントのロアアームの取り付けが、従来のIアームから2点留めのLアームになったことで、シッカリ感がグッと増したのだ。位相遅れもなくなり、ステアリングに伝わってくるリニア感と合わせ、トレース性が驚くほど向上している。またリアもブッシュなどの剛性が上げられたことで粘り感と安定感が増し、キビキビとした運転を楽しめるレベルになっている。またドアの開閉音からも伝わってくるように、ボディの剛性感もかなり向上したので、背の高さをまったく感じさせない走り味がきちんと実現されているのだ。かといって乗り心地もきちんと保持されていて、突起乗り越しなどのショックもきちんと吸収してくれているし、イヤなブルブル感が伝わってくることもない。ちょっとしたロングドライブでも快適に過ごせそうだ。
さて次にエンジンだが、NAモデルは街中で使いやすい設定。ちなみに今回は3人乗車で試乗してみたのだが、走り出し感もなかなかのものだし、中間加速も実用域ではまったく問題がない。またMターボも日常で使いやすい、低回転からジワリとトルクが立ち上がるタイプなので、ちょこっとアクティブ派ならターボモデルもオススメだ。レスポンスもよく、ターボラグもほとんどないので、NA+αといった感じの扱いやすさで、NAこだわり派でも違和感なく乗れるハズだ。
もっと元気に走りたいならばRR。今回は直噴モデルのみの試乗となったが、足まわりがバネレートにして20%ほど上げられているので、よりキビキビ感が増している。タイヤもひと回り大きいので、コーナーリングなどでの踏ん張り感もグッと感じられるのだ。全体的に重厚な感覚が伝わってくるので、ひとクラス上の質感が味わえるのだ。エンジン的にはMターボと比較するとメチャクチャパワフルというわけではないが、湧き上がるようなパワー感はやはり直噴エンジンという感じ。Mターボがスイスイならば、直噴はグイグイといったところだろうか。直噴と言うと、とかく指摘されがちなポンプの音もそれほど気にならないし、なによりも環境に優しいというのが、乗っているだけでいいことをしているようなイイ気分にさせられるのだ。
そしてこれは全モデルに言えることだが、コラムシフトの節度感もずいぶんと向上しているし、電動パワステも25Aから30Aに容量が上がったことで従来よりもついてくる感が増している。どちらかといえばワゴンRでは軽すぎると感じるくらいだ。
最近の軽自動車はコンパクトカーに匹敵するような質感の向上が目覚しく、装備的にクオリティのアップが図られているものが多いが、軽自動車としての使い勝手を追求したワゴンRの考え方、そしてそれを具現化しているところに、軽ナンバー1メーカーのサスガなところが伺えた。