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試乗レポート

三菱 ランサー エボリューションIX(プロトタイプ)



「ターボ+MIVEC」で変身した“最新版エボ9”の進化をドイツ・ニュルブルクリンクで確認

レポート=桂伸一 写真=三菱自動車(2005年1月26日)

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新車開発の聖地として世界中のメーカーが訪れる1周約21キロに及ぶサーキット、ドイツ・ニュルブルクリンクでテスト中のランサーエボリューション、通称ランエボの最新版エボ9に乗ってきた。

ダイムラークライスラーとの関係が切れたことで、メルセデスのデザイナー、オリビエ・ブーレイが強力に推進した”ブーレイマスク”が廃止された外観は、スリーダイヤのみのすっきりマスクが復活。フロントはバンパーにインタークーラー冷却用ダクトの追加と下面に流れこむ空気の整流板を追加。リヤはウイング後端にリップを追加して超高速走行でボディのリフトを抑えると同時に、空気抵抗を減少させつつ路面に押さえ付ける空力効果をさらに進化させた。

エボ9最大の進化はエンジンにある。ターボ+MIVECへの変身。吸気バルブの開閉タイミングのコントロールと軽量化されたタービンにより、低〜中速域でトルクを増大させ、高速も含めて全域でみなぎる力強さに性能アップ。出力は据え置きだが、乗るとその違いは明確。特に高負荷、登り坂で威力を発揮し、実際に体感できた。

ニュルという場所は200km/h以上で飛んで、跳ねて、落ちてという路面の変化に富んだコースだ。ここで従来のエボ8MRは思いの他フワフワとボディが伸び上がる方向に柔らかいのに対して、エボ9は4輪で路面をしっかり捉えた安定性の高さを見せた。車速が高いだけに空力で路面に押さえ付ける効果もあるが、リヤの車高をノーマル状態で5mm下がる姿勢に変更したことで、リヤの接地性が高くなり、さらに旋回を助ける制御のAYCがよりよく効き曲がりやすくて安定する。

コーナリング姿勢の違いも大きい。エボ8MRが”前のめり”にロールしながらコーナーに進入するのに対して、エボ9は前後が同じように沈み込むロール姿勢だから自然。ラリー派や峠でクイックに向きを変えて走るムキには、ちょっとガッカリの4輪の安定性。だが、世界に向けたクルマ造りをすると、この姿勢を含む安定性と、曲がりやすさは重要な要件だからクルマとしての完成度は高い。

エンジンの違いはアクセルを踏むと同時に鋭いレスポンスと同時にターボトルクが盛り上がるから、まるで大排気量のNA(自然吸気)エンジンのように力強く、素早いダッシュが効く。エボ8MRが5速で苦しい延々続く登り坂を、エボ9は6速へ、つまり一段高いギヤでも登るほどトルクに優れている。

最高速も違う。エボ8MRが245km/hで頭打ち、というか空気の厚い壁で抵抗になるのに対して、空力に優れたエボ9は、255km/h、最終的には260km/hまで伸びる。エンジン状態の違いやメーター誤差などを差し引いても、この差はデカイ。...というエボ9の進化は確かに確認できたが、日本ではどうか? については春までの辛抱だ。


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