フィアット ムルティプラ
元祖、2列シート6人乗りのムルティプラは、人間の感性に近い走りが楽しめる
レポート=中村孝仁 写真=ZIPNIX(2005年7月22日)
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初代のモデルから比べたら、そのデザインははるかにまともになったというか、普通になったムルティプラ。敢えていけないとは言わないけれど、今となっては初代のあの鬼面人を驚かす、イカレタデザインが懐かしい。MPVである。ホンダ・エディックスがコピーした横2人掛けの2列シート6人乗りである。でも、1600ccの5速マニュアルシフトしか用意されていない。普通なら(あくまでも日本の常識に照らし合わせた普通だ)間違いなく2000ccと4ないしは5ATが組み合わされる。そうしないところがやっぱりイタリアなのだろう。
ところがこのクルマ、乗ってみるとついついうきうきしてしまう。敢えてローテクだとは言わないけれど、その走りが人間の感性に極めて近いことを考えると、決してハイテクではないと思う。ただ、この人間の感性に近いというのは、気持ちよく走る上では非常に大切な要素であって、ムルティプラはそのつぼをしっかりと抑えているからドライバーは走っているうちにうきうきしてくるのだ。
全幅は広い。でも、今時1875oのクルマなど、いくらでもあって駐車するにもあまり不便を感じることはない。車高も高いから、元々ゴンドラ駐車場は無理と決めてかかるので、気にならない。一人乗車でも、ミニバンで感じる広大な後ろの空間に不気味な静寂感や、寂しさを覚えることもないし、隣のシートを物置代わりに使えてなお、もう一人乗れる。これは凄く便利だ。マニュアルミッションも、ステアリングから非常に近い位置にシフトレバーがあって、ストロークも短く、まるでスポーツカーのようにシフトワークを楽しめる。ダースベーダーのヘルメットのようなメーター周りのデザインも面白い。確かにマニュアルで不便と思うのかもしれない。しかし、ムルティプラは最高の実用車の1台だ。ニューモデルで付いたWサンルーフはおまけのようなものである。
各ガラスエリアの大きさが印象に残るエクステリア。先代に比べるとその外観に奇抜さはなくなったものの、まとまりのある親しみやすい外観となった
搭載エンジンは、直列4気筒DOHC 16Vの1600ccの設定のみだ。最高出力103ps/最大トルク14.8を発揮するこのエンジンに5速マニュアルトランスミッションが組み合わされる
2つのグレードが設定されているムルティプラ。ELX-Pulsでは、15インチのオリジナルアロイホイールに195/60R15のタイヤを履く。ELXは、185/65R15が設定されている

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