1990年の誕生以来、14年間アメリカでベストセラーを続けているSUV。メーカーの資料にもそう記されているほどだが、フォード・エクスプローラーはまさにそのとおり、SUVを代表する車種として認知されている。ちなみに同資料によれば、アメリカでのSUVのシェアは1990年は僅か6.6%だったが、2004年には27.5%ほどに上昇している、という。あおのなかでナンバー1の人気を堅持するエクスプローラーは、コンスタントに販売台数を伸ばし、累計台数ではすでに500万台を超えているのだそうだ。
一方で日本市場でも1993年の登場以来、12年が経ち、累計で24000台ほど。ここ最近の5年間では、輸入SUVではトップの販売台数となっているのだそう。中古車でも未だに初代の人気が高く、残存率が高いのだそう。このことからも、エクスプローラーが単に流行などで選ばれるのではなく、SUVを本気で使い愛用したい本格派ユーザーに支持されていることが伺い知れる。
外観はフロント回りなどが大きく印象が変わり、XTL(V6)のニートなフロントグリルは初代の雰囲気を思い起こさせる。V8モデルは専用デザインだ。
ラダーフレーム構造は先代を踏襲するも、設計が一新されレールの厚さ、幅を拡大。ボディマウントには乗り心地を改善するブチルゴムを採用する。ラインアップは4000ccのV6を搭載するXLT(425万円)と、性能アップを果たした4600ccのV8を搭載するEddie Bauer(520万円)の2グレード展開だ。
インテリアは、外観以上にイメージが意思インされた。ひとことでいうと「モダンになった」といえるもので、これまでの、クラシカルなアメリカ車のイメージはほとんどない。と同時に、樹脂部品などの仕上げ品質、精度なども、最新のドイツ車などと較べても遜色がない。インパネ表面のしっとりとした艶消しの具合や触感など、納得のいくレベルに仕上げられている。とはいえ、近代的なデザインながら全体の雰囲気はトガり過ぎていない。なので乗員は“迎えられた”印象をもち、そんな人肌のやさしい雰囲気に、エクスプローラーらしさも感じる。
ただしデザイン優先でドア内側のグリップが手の届きにくい場所にあったり、まさに“円柱”といったデザインのシフトレバーもどう握ったらいいのか少々戸惑う。
室内のスペース自体は申し分ないものだ。シートは意外にも硬めのものになったが、1、2列目シートはまさにゆったりと寛げるスペースになっている。また3列目も基本的にはエマージェンシーだが、頭上空間は大人でも何とかそこに座れる程度になっており、このあたりはアメリカ車らしい。定員な7名。
ラゲッジスペースは、3列目シートが左右分割で折り畳めるところから、用途に応じて自在な使い方が可能だ。“ゴルフボールも転がり落ちないフラットなフロア”はフォードも自慢するところ。2列目は背もたれを前に倒すとクッション部が沈み込みながら畳まれるので、ここを畳めば(この部分はわずかに斜めになるが)2〜3列目部分の低く広い床が出現する。
フェイスリフト程度か...とも思える新型エクスプローラーだが、走りは劇的によくなった。言葉で表現すると「アメリカ車がヨーロッパ車に生まれ変わった」としてもいいほど。とくに乗り心地がおおいに進化、洗練されたものになっており、従来の路面のような大様なボディの揺れが影を潜め、フラットで実にスムースな乗り味が実現されている。レポーターは個人的に最新のディスカバリーの乗り味を連想したほどだが、同じグループの一員としてあちらを迎え、何らかの影響があったのだろうか? いずれにしろ、ボディが捩れたり軋んだりするようなことが一切なく、よって、乗り味もしなやかだし、ステアリングフィールもなめらかで、ドライバーの意思に繋がった“ハンドル裁き”が可能となっている。
エンジンももちろんいい仕事をしている。とくに新しいV8エンジンは、通常は余裕を喪ってクルマを走らせるが、いざアクセルを踏み込むと底力を発揮し、猛然とした加速を披露してくれる。他方のV6エンジンも動力性能面ではこれで何の不満もなく、走りっぷり全体でいえば、V8エンジン搭載車よりも身のこなしが軽快だし、軽快なエンジン音も耳で心地よく楽しんでいられるほどだ。
親しみやすく快適だった初代エクスプローラーのあの感じが、格段に洗練されて現代に再現された...そんな印象をもった。