アルファロメオ アルファ159 2.2 JTSセレスピード
イタリアのスポーティカーといえば、エンジンは俊敏に吹き上がり、ハンドリングはシャープでキビキビと走るイメージがある。それと同時に、危険回避の操作をすると、挙動の変化が素早くドライバーには相応の技量が求められる。マニアックな上級者向けのクルマという印象だ。
しかし、設計の新しい159は、そのような角の立った運転感覚ではない。ステアリングの反応は適度で、ドライバーの意思に忠実。速く曲がることを挑発する面も見られなくなった。危険回避の性能も高く、後輪をしっかりと安定させているからドライバーを慌てさせる挙動には陥りにくい。とてもバランスの良いハンドリングで、ひとことでいえばドイツ車に近付いた印象を受ける。その一方で、最近のドイツ車はステアリングの反応がシャープになってきたから、結果的に双方の持ち味が接近してきた。イタリア車、ドイツ車ともに、進化が進むとひとつの方向へ集約されてくるようだ。同様のことが、近年の日本車にも当てはまる。各国、各メーカーでそれぞれ持ち味の違いはあるが、大筋でとらえると、まずは走行安定性を最優先させ、その上で走る楽しさを追求するようになった。
では、アルファロメオ独自の持ち味は何か。それはエンジンフィーリングから感じ取れる。2500回転前後の実用トルクも十分に確保されるが、4000回転を超えた領域での吹き上がりはダイナミックだ。ハンドリングと同様、ドライバーを挑発する過度な回転感覚ではないが、イタリア車の、そしてアルファロメオのイメージに合った元気の良さが感じられる。ハンドリングが走行安定性を優先させる方向に発展して一抹の寂しさを感じるアルファ・フリークも、このエンジンフィーリングを味わえば、内に秘めた本質が変わっていないことに気付くだろう。
このエンジンを味わう上で、6速MTをベースにしたセレスピードはピッタリのシステムだ。トルクコンバーターを介して駆動力を伝える一般的なATと違って、MTと同じダイレクト感のあるなアクセルワークを楽しめる。ATモードを使った時の変速ショックは、フォルクスワーゲンのDSGなどに比べると大きめだが、このあたりは時間の経過に従って洗練されてくるだろう。
本稿を書いているオジサンのような中年になると、クルマも食事も刺激の強いものは避けたくなる。かつてのアルファロメオは、楽しいクルマであることは十分に理解できても、個人的には「ここまで刺激の強いクルマはちょっと…」という印象を持っていた。しかし、159なら「こういうクルマもいいな」と感じさせる。クルマの好きなベテランドライバーは、機会があった運転してみると良いだろう。琴線に触れるところがあると思う。
最高出力185馬力を発揮する直列4気筒の2200ccエンジンを搭載。無鉛プレミアムガソリン仕様となっている。
変速機は6速MTをベースにしたクラッチペダルレスの自動変速機構を採用しているのが特徴だ。
159の走りを支えるタイヤは215/55R16サイズを装着している。アルミホイールのデザインもスポーティーだ。

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