スマート フォーツー
実は筆者、第一世代の最初のモデルに乗っていた。正規輸入が始まる前のことで、その新しさに思わず飛びついてしまったクチである。その注目度は今の日産GT−R級で、声をかけられる頻度で言えば圧倒的に上だった。どこに停めても微笑みで見られたことを懐かしく思い出す。最大の欠点は、乗り心地の悪さとセミATのマナーだった。もちろん、第一世代スマートもその後進化を果たしたが、この2点に関しては最後までネガティヴな印象が残っていた。そのあたりを注目して試乗してみたが……。
結論から言うと、クルマそのもののデキは相当にレベルアップしていると思う。高速道路でもそれほど不快感なく走れることから、足回りやパワステに十分な改良が加えられたとみていい。ディメンジョンの物理的な制約ゆえ、跳ねるようなショックを感じる場面もあったが、上手く収束させている。これなら毎日のパートナーとして不足はない。セミATのマナーも随分と改善された。アクセルペダルを踏みつけたままの加速では、さすがにシフトアップ時につんのめるような動きになるが、これはシングルクラッチのロボタイズドミッションの宿命だ。ドライバーの方で、上手にアクセルペダルを緩めるなり、なるだけ急加速をしない(するならMTモードで)など、工夫をしてやれば済むことでもある。感心したのは、動力性能だ。1Lという排気量がもたらす余裕は、過給器付き小排気量と比べ物にならない。厳密にはそれほど早くなってはいないと思うのだが、力強さが違う。パワーの出方も自然で心地いい。はっきり言って、Bセグメントのフツウのコンパクトカーを追いかけ回すことだってできる。
最高出力71psを発生する、999ccの直3DOHCエンジンをリアアクスル前に横置きに搭載。10・15モード燃費は18.6km/l
電子制御5速マニュアルモード付オートマチックトランスミッション(ソフタッチ)を装備。キーシリンダーはシフト後方に設置されている
乗り心地と走行安定性のためフロントは155/60R15のタイヤを装着、リアは175/55R15
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