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【Vol.38】琢磨選手ゴメンナサイ(2004/4/9更新)

 

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ナマ放送の恐ろしさ

あちゃー、やっちゃいましたよワッハッハ───とか笑ってる場合じゃなくて、かなり真剣に懺悔してます、今週の私。
そういうわけで、ヨーロッパの魅力的な小型車の話を書くはずだった予定を急に変更してモータースポーツの話題です。
まず最初に、F1でBAR ホンダに乗る佐藤琢磨選手に「ゴメンナサイ」を言わなければなりません。あまり唐突に何のことかと思うでしょうが、フジテレビ721 でF1のライブ中継を見てくれている人なら、「はは〜ん、あのことね」と気付くんじゃないでしょうか。
ちょっと説明しておくと、フジテレビ721 という衛星チャンネルがありまして、F1は全戦どれも完全ナマ、当然ノーカットで放映してます。編集したVTR をうんと夜中に流す地上波と違って、途中の事故なんかでレースが中段しても垂れ流しだから、すごく臨場感もあります。それに、たとえばヨーロッパでのレースだと時差が7 時間だから、たいてい日曜の午後11時までには終わって、翌朝の出勤にも差し支えないわけ。
そういうわけでオススメなんですが、本当に本物のナマ放送なのが恐ろしいところでもあります。間違って喋っても、そのまま電波に乗っちゃうんだから。けっこう気をつかうんですよ、私でも。

手に汗にぎる白熱のバトル

それがつい最近のバーレインGPでのこと、予選5 位という好ポジションから飛び出した佐藤琢磨選手が、さらに1 台抜いて4 番手でレース始めたじゃないですか。カッコ良かったよね。でもそのすぐ後ろにはウィリアムズBMW のラルフ・シューマッハーもいて、さすがトップグループの常連だけに、がんがん琢磨にプレッシャーかけて来るわけ。抜いちまえば引き離せると思ってたんでしょうな。
で、数周だけ我慢してから、第1 コーナーでインに割り込んで抜くには抜いた。これはこれで上手かった。でも琢磨も完全に遅れたわけじゃなく、なんとか踏ん張れば次のカーブで並ぶことができそうな位置関係だったのね。まあ真横どうしの並び方じゃなかったのが微妙なところではあるんだけど、とにかく今度は琢磨がイン側有利で次のコーナーに入れそうだったんですよ。つまり丁々発止の渡り合いってことです。
こういう時は、少し前にいて先にコーナーに飛び込めそうだけど、左右で言えば外側になるラルフは、競り合う相手のために車幅ぶんだけスペースを空けておくのが、いわば仁義みたいなもんなんです。でも焦ってたのか、完全に抜き去ったと思い込んでたのか、いきなりズバッと切り込んじゃったんで、内側から並ぼうとしてた琢磨も行き場所がなくなって、ラルフの左後ろをつつく形になっちゃったんですよ。
あのまま行けてたら琢磨が抜き返せたのかどうか、それは今となっては想像するしかありませんが、けっこう手に汗にぎるサイド・バイ・サイドの競り合いは見られたでしょう。ダメージを受けてピットインしたのはラルフの方だけで、琢磨はとりあえず無傷だったのが不幸中の幸いでしたけど。

つい口走ってしまった言葉

で、その接触事故の直後、大会審査委員会(審判団ですね)から「ただ今の事故についてドライバーに責任がないかどうか『審査』中」っていう発表があったんですよ。その瞬間、なぜか私は「琢磨にペナルティ?」とか思っちゃったんですね。もっと正確に言うと、スローの再生画面を見ながら、「これってラルフが外側からライン締めてんのが悪いんじゃないか」とも思わなかったわけじゃないんですが、不運なことに、その前の週に鈴鹿で見たフォーミュラ・ニッポンの接触場面が頭に浮かんじゃったんです。今回とけっこう似た状況で、その時はペナルティとかじゃなかったんですが、レースの後で突っ込んだ方が前のドライバーに謝りに行ったもんで、それと目の前の光景がダブっちゃったんです。ほかの場合でも、たいてい後ろのドライバーの方が立場が悪いこと多いし。
でも、あれから何回チェックしても、やっぱりラルフが「ドアを閉める」の、早すぎました。審判団もそう判断して、レース後に琢磨じゃなくラルフに注意処分が出たんですが、これってサッカーのイエローカードに似てて、F1の場合はラフプレーとみなされて3 回注意されると出場停止もあるんです。
もっと恐ろしいというか、私も未熟さがわかったのは、いったん「琢磨ペナルティ?」と口走っちゃったが最後、自分の言葉を信じてないのに、上手く修正できないんですよ。ナマ放送だから、口から出た言葉がマイクに飛び込む前に止めるなんてできないし。そんなわけで、せっかく健闘して5 位入賞の琢磨クンに、とんでもないケチを付ける結果になっちゃった次第です。だから最初に書いたように懺悔なんですが、次はこんな失敗しないように頑張りたいと思います。今度の私の当番は5 月8 〜9 日のF1第5 戦スペインGPなんで、スカイパーフェクTVのフジテレビ721 、よろしくお願いします───って、なんだか番宣になっちゃったりして。
結果は佐藤琢磨選手5位という立派なものでしたが、その内容はけっこうドタバタというか……。ピットインのタイミングの妙で一時的にトップを快走したり、いやなかなか見ごたえのあるレースでした。そうそう、前週に行われたフォーミュラニッポンも白熱したレースで、参戦二年目の若手・小暮選手が初優勝。




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