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【Vol.49】W杯も驚く元祖弾丸ツアー(2004/6/25更新)

 

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自身の暴露でもあるんです

だ〜れもいないと思っていたら、どこかでどこかでエンゼルが〜───とか、古い森永のCMソングじゃないけれど、ああヤバい、けっこうギョーカイ人が見てたんですね、このコラム。皆さんお元気ですか、クマクラですこんにちわ。
ヤバいっていうのは、1 カ月ほど前ですか「クルマ雑誌の内幕って、こんなにトホホなんすぜ」とかバラした話が、ぜ〜んぶ行き渡っちゃってるらしいこと。最近あちこちで言われますもん、「いやあ、『そんなにドタバタで雑誌作ってんのか』って社長に突っ込まれちゃいましたよ」とか、「あの時は締め切りせっついてご迷惑かけました」とか。
まあ、いくら内幕ったって、たいしたこと書いたわけじゃないし、どんな仕事だって裏の事情はあるんですけどね。そんなこと平気でバラしちゃうのも、とりあえず年の功でツラの皮が厚くなったからだし、どの編集部の若いスタッフとも仲良くやらせてもらってるから。それに私自身クルマ雑誌の編集部で、同じようなこと25年間もやってたんで、いろんな事情よ〜くわかってるからでもあります。
そこで今週は、題して「思い出のドタバタ特集」。私自身がやらかしたチョー駆け足仕事です。

ドイツ日帰り特攻隊

その一番は「ドイツ日帰り旅」。機中泊を含むから正確には「ドイツ無泊」かな。もう20年以上も前、ちょうど国際線が羽田から成田に移動した直後だったと思います。ここで頑張りゃメルセデスの新型車の現地速攻試乗記を次号に突っ込めるってんで、私が特攻隊になったわけ。当時はソ連も柔らかくなって、そろそろシベリア上空通過の直行便も使えるようになりましたが、まあドイツは東西冷戦の最前線だったんで、西ドイツ(当時)のルフトハンザだけは、わざわざアンカレッジ(アラスカ)経由の北極横断ルートを飛んでました。う〜ん、アンカレッジなんて、当時はかったるいと思ったもんですが、今となっては懐しさでいっぱいです。こっち関係の話題もけっこうあるんで、そのうち書きましょう。
そういうわけでルフトハンザに乗ると、朝の5 時だか6 時にフランクフルトに着きます。そこであらかじめ先方の広報部と交渉して、空港の駐車場にテスト車を預けておき、しかるべき担当者からキーを受け取れるように手配しておいてもらいました。こういう交渉も、そのころは基本的に手紙だから、1 カ月も前からやり取りしてたんです。電話だってダイヤル直通じゃなく、0051から交換手に申し込むシステムだったし。
さっそくクルマを引っ張り出して、ものの1 時間もアウトバーンを行けば、景色はもう美しいドイツの田園地帯。絵葉書みたいな写真も撮れるし、もちろん高速走行も味わえるし(そのころアウトバーンは、今では想像できないほど空いてました)、ちゃんと試乗の仕事はこなせます。で、夕方ふたたび空港でクルマを返却し、運転席にお礼のメモを入れておいて、夜8 時ごろの成田行きに乗るわけ。みんな寝静まった機内では、鉛筆なめなめ原稿を書くんですよ、編集部に着いてすぐ進行係に渡せるように。これって、けっこう大変。飛行機の中でバリバリ仕事してる人もいますが、私、駄目なんです。地上より空気が薄いんで、ただでさえやっとの思いで駆動してる脳がアイドリングになっちゃうんです。

速報性重視の哀しい喜び

そういえばイタリア現地一泊トンボ返りってのもあったなあ。まず日本からチューリヒ(スイス)に飛んで、待ちかまえていたBMW のチャーター機(やたらクラシックなプロペラ機)に乗り換えて、着いたところはローマ郊外の空軍基地。そこでBMW の技術者と飯を食いながらディスカッションして、翌朝一番で新型のスポーツカーに試乗して、またプロペラ機でチューリヒに戻り、すぐ日本行きに飛び乗るってスケジュールでした。
普通じゃ、こんなの無理です。もちろん私自身だって無理なのは承知のうえです。でも雑誌とか報道の仕事してると、無理なことやってる快感みたいなものもあるんです。しゃかりきに突撃して、他誌より1 号でも早く新型の情報を突っ込んで、「やったぜ!」とか、考えてみりゃ哀しい喜びではあるんですが、もう本人はハイになりまくり。でも本当は早さじゃなく、じっくり腰を据えて解説するとか考察するとかして、見た目も充実のページを作るべきなんですけど、まあ、これも一種の職業病だったんでしょうか。
「だった」というのは、今では原稿も写真も電話線で飛んで来るようになったから。そうなる前は、ルマン24時間なんて、現地でカメラマンが親しくなったスチュワーデスにフィルムを預かってもらい、成田で受け取った編集部員が現像所に走るなんて綱渡りもやってました。そんな限界に挑戦した「存在しないページ」事件の顛末は、また来週。

そうなんです。メルセデスの新型車の写真(こちらはニューAクラス)なら、いまや簡単に手配できちゃうんです。恐るべしインターネット!! でも、だからこそ速報性よりも「じっくりと腰を据えた解説」だとか充実したページを作らなければいけないし、読者もそれを期待してるんですよね、熊サン?




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