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こちら西荻窪駅前熊倉ジドウシャ研究所

【Vol.53】北の大地で思うこと(2004/7/23更新)

 

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暑くなった西荻窪

東京は暑いですかぁ、こちら北海道は涼しくて空気もサラッとして気分最高ですぅ………とか、思わずノンビリ語尾が延びちゃう私です、こんにちわ。
西荻窪から愛用のプリウスで20時間、今、十勝インターナショナル・スピードウェイのプレスルームで、全日本GT選手権の予選を取材するフリをしながら、このコラム書いてます。東北縦貫道をチョイ飛ばしで18km/l 以上、函館で北海道に上陸して帯広までは20〜22km/l 、さすがハイブリッドのプリウス君は優等生です。でもこの季節、北海道ではお役人様が道外ナンバーとレンタカーを重点的に狙うんだとか。いえ、私は遵法運転です、はい。
それにしても、地球温暖化とか以上に、最近は西荻窪も暑くなりました。緑がどんどん切り倒されて、その跡にマンションが建ったりして、当然人口も増えますし(ほんと、夜中でもこんなにゾロゾロ人が歩いてる西荻窪なんて、ちょっと前までは想像もできませんでした)、ここにも都会としてのヒートアイランド現象が襲来したのかと、がっかりさせられちゃいます。せっかく荻窪と吉祥寺の発展に置き去りにされて静かに暮らせると喜んでたのに、「頼むから見逃してくれよ」って感じです。

夢の帯広永住計画

それにくらべて帯広、あたしゃすっかり気に入って、「ここに住みたい」とか言いだす始末。北海道出身のカミサンはけっこう冷静に「でも冬の寒さ、半端じゃないよ」とか言ってますが、クルマ人間としちゃ理想郷じゃないですか。なんたって道路広いし、市街地でも感動的なほど人口密度が低い。広い歩道を歩きながら両手を振り回したって、誰かにぶつかったりしませんもん。それに街から20分も走りゃ、もう見渡すかぎり美しい田園風景ときてます。今なら淡いピンクや白のジャガイモが花盛り。その畑も本州と違ってチマチマ区切ってなく、ゆるやかな丘陵の向こうまでずーっと続いてるんで、もう完全にヨーロッパの景色です。こんな環境だったらクルマの撮影だっていろいろできるし、いつも箱根あたりで「もう撮るとこ、ないぜ」とか嘆いてるのとは大違いです。
でも、昔「ケンとメリーのスカイライン」のカタログの背景に使われたので有名になった大木のあるところなんかは完全に観光地になっちゃって、いつ行っても団体バスが邪魔だったり、妙な開け方をしているのが残念です。これは最近スバル・インプレッサのポスターに使われたんですが、こういうのって、知る人ぞ知る程度にとどめておいた方が、かえって値打ちが高くなると思うんですが。そういえばその近くには、煙草のCMの背景に使われたとかで「セブンスターの丘」なんてのもありますね。
とりあえず私としては、本格的に東京を引き払って引っ越す踏ん切りまではつかないので、このへんに家を借りて春夏秋冬を経験するぐらい、まずやってみたい気がしてます。まあ、しがないフリーライターとしては、それじゃ仕事が成り立たないんで、今ここで言ってるだけに終わっちゃうんでしょうが。ベストセラーでも書いて優雅な印税生活ができるんならいいけど。いや、こっちにいても冬はスタッドレス・タイヤの試乗の仕事なんか来るかな。

参院選挙に見たものは

でも、この周辺を走りまわったり、ガラ〜ンと広い帯広駅前広場を散策したりするにつけ、ちょっと考え込んでしまう私でもあります。たしかに理想的な住環境ではありますが、これを可能にするための資金って、すべて地元の努力によって作られたものなんでしょうか。そうじゃなくて、北海道開発の大義名分で配分された地方交付税の比率が非常に高いと聞いたこともあります。その中の大きな部分は、人口から考えても私たち都市住民が払った税金でしょう。なにも「俺のカネだ」なんてケチくさいことを言うつもりはありませんが、最近の西荻窪の荒廃ぶりを見ていると、あんなに払った税金に見合う恩恵を、はたして私たちは受けてるのかどうか、違うと思うんですけどね。たしかに都市部は日常生活も便利とか大きなメリットがありますが、それは私たち民間の努力の結果であって、行政が何かやってくれたわけじゃないんだし。
最近も参院選挙で、この地方を地盤にしてのし上がりながら収賄事件の被告人になっている人物が立候補してましたが、今まで地元の公共事業などのために中央からたくさん予算を分捕ってきたんで、今でも支持する人が多いんだとか。結果としては落選でしたが、「橋や道路の建設や整備のために国の予算を分捕って来るのが政治だ。それのどこが悪いんだ」みたいな声もずいぶん聞きました。つまり地域ごとの権益争いが政治の基本ってことですか。そんなふうに利害を細分化することで、誰も天下国家を考えなくなった結果が、矛盾だらけの今の日本だってことを思うと、ただ単純に「帯広って、ステキ」とか憧れてる場合じゃなくなったりして。それが許されるんなら、私たちも西荻窪に利益を誘導するような投票をしなくちゃならないんでしょうか。

北海道の十勝スピードウェイで行われたのは、全日本GT選手権第4戦。結果は22号車(モチュールピットワZ)の優勝でしたが、それ以上に熊サンのココロに響いたのは、どうやら北海道の住環境だったようです。(写真提供:GT-A)




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