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【Vol.55】十勝エコワンタン・グランプリ参戦記(2004/8/6更新)

 

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地方サーキットを話題にするワケ

先週このコラムの冒頭に「十勝のサーキットでのイベント」とか書きましたが、べつに私が十勝での全日本GT選手権に出たって話じゃありません。あれの取材に行ったら、プレスルームでおもしろそうなチラシを発見しちゃったのが、事の始まりでした。
題して「十勝エコワンタン・グランプリ」。雲呑じゃなくて、ワンタンは「ワンタンク」のこと。つまり給油なしで5 時間ぶっ続けにレースっぽく走る燃費競争のこと。しかもGTレースの翌日に開催。何でもすぐその気になる私ですから、「おお、オレ様のためのイベントか」みたいに盛り上がるまで、蛙がピョンと跳ぶほどもかからなかったのは言うまでもありません。これなら、わざわざ東京から20時間もかけて連れていった我が家のプリウス君も、北海道まで遠征した甲斐がありそうじゃないですか。
そうなると、もう気もそぞろ。いや、ちゃんとGTの取材も片づけて、終わると同時に大汗かいてキーボード叩いて速報書いたりしてましたけど、その一方じゃヘルメットとグラブを借りぃの、スタンド裏の売店で長袖のトレーナーを買いぃの、もう一泊ホテルを探しぃのと、飛び入りエントリーの手配に余念がないんですから、困ったオヤジです。
いや、これ、単なる興味本位じゃなく、けっこうマジな私でもあったのだよ。十勝インターナショナル・スピードウェイって、付帯設備なんかも含めると日本でも屈指の立派なサーキットだけど、なんたって人口密集地から遠いとか地の利が悪すぎなんで、いつも経営に四苦八苦してるわけ。そんな中で「北海道のレースの火を消すな」と頑張ってる地元のスタッフの努力ぶりたるや、もう涙なしでは語れまへん。九州のオートポリスを守る地元の奮闘ぶりも涙なしでは語れないんだけど、いけないのは私たち「中央」のジャーナリストが現場を訪ねるチャンスがとても少ないこと。だから、たまにビッグレースの取材なんかで行った時ぐらい、なんだかんだ話題を掘り起こして、ほら、今ここにこうして書いてるように、みんなにも存在を知らせたいわけ。

タイムと燃費のバランス勝負

それはともかく「エコワンタン」は、1 周3.405km のサーキットを5 時間で何周できるか、その間にどれだけガソリンを使うか(使わないか)を競うんですが、普通のナンバー付きのままだから、バトルっぽい追い越しは禁止とか、1 周2 分10秒を切っちゃいけないとか制限もあるわけ。本物のGT500 レーシングカーなら1 分12秒ぐらいで行っちゃうんで、これならタラタラだと思うのが普通でしょ。そこへ最新型のプリウスなら足もいいし、どっちの項目も楽勝だと、迂闊にも私は読んじゃったわけですよ。だって、いっしょに出る顔ぶれの中にはスープラとかレガシィとか、いかにもガス食いそうなのもいるし。
ところがギッチョン、これ、やってみると意外に大変なのね。周回数を稼ぐために2 分10秒すれすれで走ると、コーナーなんかかなり攻めなきゃ届かないんです。そうするとプリウス君の自慢のはずの燃費が案外良くない。そこで方針を切り換えて、燃費狙いでノロノロ亀さんを演ずることにしたんだけど、もう一つ罠があって、最低でも100 周は消化しないと完走扱いにならないんです。そうすると、目標値だった18km/lなんてとても無理。それがわかった時点で「よし、ここは燃費には目をつむろう。さっき抜いてった連中をバンバン追い上げて、周回数で勝負だ」とか覚悟を決めたんですが、時すでに遅し。だって2 分10秒(って平均速度94km/hです)より速く走っちゃいけないんだから。あとは先行した高性能車が、後半ガソリンを心配してペースダウンするのを待つだけなんだけど、やっぱり昔レースやってた血っていうんでしょうか、我慢できないのね。知らず知らず「俺の前を走る奴ぁ許せねえ」みたいにアクセル踏んでた私です。だから何回か2 分9 秒台にも飛び込んじゃったんですが、そのラップはペナルティとしてノーカウントにされちゃうし、でも食ったガソリンはカウントされちゃうし、結果としては15台中8 位の完敗、わはは。

暖かい地元ファンのおかげです

災難だったのはプリウス君。十勝のコースは右コーナーが多いから、FF車だと左前輪のタイヤに負担がかかります。おかげで5 時間すんだら、もうショルダーが丸坊主。あと東京まで最低でも900km は走らなきゃならないのにね。でもまず2 時間、喉が乾いたからカミサンに1 時間代わってもらって最後にまた2 時間、久しぶりのサーキット走行はとても痛快でスッキリしました。
それにしても、いきなり登場した練馬ナンバーを暖かく歓迎してくれた地元のモータースポーツ・ファンの皆さん、ありがとうございました。おかげでとても楽しい思い出ができました。エコワンタン、ぜひ来年もやってください。私もプリウス君に鞭打って再挑戦します。今度は勝つぞ!

空気抵抗が大きいと燃費に悪影響を与える……ってことで、徹底的に空気の流れを研究して設計されたプリウス。そのお陰で世界でもトップクラスの空力特性を実現したんですが、空気抵抗が少ないのってレースをする上でもすごく有利なんです。そんなことを考えると、プリウスって実はレースに向いたクルマなのかも! これは来年も参戦するしかないですよね!!




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