アテネ・オリンピック、とりあえず無難に開催されてるみたいですね。いや、テロの危険ってことじゃなく、「おいおい、こんな準備状況で本当に間に合うのかよ」とか言われてたじゃないですか。
ところが、いざ本番になってみると、ちゃ〜んと開催できてるんですね。ぱちぱち。「プールが屋根なしでオリンピックと言えるか」なんて文句もあったみたいだけど、やってみりゃ新記録も出てるし、ちょっとぐらい風が吹いたって全員平等なんだし、結果としちゃパチパチでしたな。
これを見て「やっぱりラテンやなあ」と思いませんか。ラテンって、ヨーロッパの地中海沿いから中南米まで広がる文化圏で、細かく分ければいろいろあるし、もちろん一人一人で違うんだけど、その全体に共通する雰囲気、ありますよね。いや、雰囲気より価値観とか人生観ってとこかな。一見いい加減なのに、最終的にはきちんと辻褄が合うだけじゃなく、すごく立派な仕事できてんの。
ま、生きざまが芸術的っていうか、考え方の流れが一つの音楽でありドラマなのかもしれません。「ラテンの連中はワアワア騒いでるだけで、ちっとも仕事が進まん」なんて言われてるけど、そんなことなくて、いざという瞬間の集中力たるや、とても私たちなんざ真似できませんて。それにくらべりゃ、一つずつ相談しながら段取り決めなきゃ仕事できない私たちの方が、ずっと不器用でダサいんじゃないでしょうか。
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適当な例ではありませんが、フィアットの試乗会もこんな感じでした。朝一番で簡単な説明会があって、それから会場の前庭に並んだテストカーに乗るんだけど、日本だったらきちんと割り当てが決められてるのが普通です。たとえば同じ新型車でも2000ccの4 気筒車と3000ccの6 気筒車があったら、時間と順番を決めてみんなが乗れるように手配するとか。
でもフィアットの場合は、「適当に行け〜」ってな感じで、早い者勝ちで乗ってっちゃう。すると東洋の某国(日本じゃなくて)の記者たちは、まずクルマの列に駆け寄ると、片っ端からノートとか帽子とか放り込んでリーチしちゃうのね、とりあえず。それからみんなでピャウピャウ!パウパウ!とか叫びながら、乗りたいクルマを選ぶんですよ。私たち控えめな日本人記者団は手も足も出ず、ただただ呆れて見守りながら、おいおい、これじゃ目当てのクルマに乗れないぞとか心配するだけ。
でも、そんな嵐が過ぎ去ってみると、なんのことはない、ちゃんと計算は合っていて、1 日の終わりまでにはしっかり試乗も撮影もできてるのが不思議。それが計算された流れだったんでしょうね。ただし同じラテン系でも、プジョーはきっちり軍隊的に管理してますけど。
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そんなフィアットの試乗会ですが、前日にはこんなこともありました。会場はスペインのマドリード。その直前までイタリアの工場を取材していた私たちは、飛行機でローマから駆けつけるわけです。でも、ローマから飛び立った飛行機が、すぐ着陸しちゃうじゃないですか。「あれっ、もうマドリードかい」と窓の外を見ると、空港ビルにはバルセロナの看板が。
聞いてみると「マドリードの空港職員がストやってるんで予定変更、ここでフライトは終わりです」だって。どうすんだよと思ったら、にっこり笑って「ダイジョウブ、これから皆様をバスでお送りします」ときたもんだ。バルセロナからマドリードって、岡山から東京ぐらい遠いんだぜ。もうスケジュール間に合うわけないじゃん。一同ハラホロヒレハレ(古い!)でしたね。
ま、仕方ないからバスに乗ったと思いなさい。ちょいちょいお叱呼タイムなど挟みながら、揺られて行きましたよ、マドリードまで。やっと着いたら夜中の12時。「やれやれ、やっと寝られる」と安心したら、「ちょっと待て、これから正式の晩飯だ」だと。もうフィアットも意地になっちゃってたんですね。そういうわけで、わざわざネクタイ締めてスーツ着て、夜中の1 時から晩餐会。それもマドリードじゃ一流のリッツ・ホテルのフルコースだからね、ササッと食って終わりじゃないの。味は最高だけど、ウェイターなんか大残業なんで機嫌悪いったらありゃしない。こっちもヤケになってワインたらふく飲んで、終わったら午前3 時だよ。おまけに、そこへとどめの一撃が来たね、「明日は午前7 時から説明会です。時間厳守!」だって。そ〜か〜、そうやって辻褄合わせるのがイタリア式なのかと、妙に感心しましたけど。
それで翌朝は、前にも書いたような試乗会狂騒曲になるんですが、やっと乗ったクルマは30kmも行かないうちに電気系統のトラブルでダウンしちゃって、こっちはとうとう辻褄が合いませんでした。でも、よく思い出してみると、世界のどこへ行っても、こんなドタバタに出っ食わしてたような気がします───ってことは、私がラテン系ってこと? まさかねえ。
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| 最近日本で開催されたフィアットの報道試乗会と言えばニューパンダですけど、さすがに日本でやるときはきっちり時間割、車両割が決まってます。なので安心して試乗と撮影ができます。まぁ決してドラマ性はないですけどね。 |
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