メインコンテンツまでスキップします
アット・ニフティロゴ Car@nifty

新車、中古車、メンテナンス 購入前に比較できる 自動車情報サイト

Car@niftyトップ > 特別企画 > 熊倉ジドウシャ研究所 > 【Vol.60】大試乗会はラテ...
こちら西荻窪駅前熊倉ジドウシャ研究所

【Vol.60】大試乗会はラテンの旋律で(2004/9/10更新)

 

バックナンバーはこちら

試乗会にかこつけて……

先々週このコラムでフィアットの報道試乗会のこと書いてたら、また別なの思い出しちゃいました。やっぱりフィアットなんだけどね、やたらアバウトでノリが良くて(良すぎて)って話。
もう20年以上も前、名作フィアット・ウーノが出た時のこと、「アメリカで試乗会やるから来い」って連絡が来たんです。こっちとしちゃ、ヘエッ?ってなもんです。だって当時フィアットは対米輸出なんかしてなかったし、ましてやウーノは、日本でいえばマーチかヴィッツ程度の小型車だったんだから。
対米輸出してなかったのも最初からじゃなくて、要するに撤退してたわけ。もちろん売れなかったから。今と違って「イタ車は壊れる」が常識みたいだった時代なんで、アメリカでもさんざん叩かれて、「FIATって、何の頭文字か知ってるかい。Fix It Again, Tonyってんだぜ」とか、悪い冗談のタネにされたりもしたもんです。直訳すれば「トニー、また直してよ」ってことで、トニーとはアントニオ、つまりイタリア人の代表的な名前ですね。正式には、Fabbrica Italiana Automobili Torino(トリノのイタリア自動車製造所)の頭文字がFIATで、後にFiatになったんですが。
ま、それはともかく、いろいろ評判悪くて撤退した(させられた)アメリカで試乗会って、なんだかリベンジみたいに聞こえますが、実はそんな大袈裟なことじゃなかったわけ。だって場所がフロリダ州のマイアミですよ。全米屈指のリゾートですよ。それも1 月ってことは、寒いヨーロッパから太陽を求めて来るのにぴったりな季節。たぶん図々しい記者たちから「どこか珍しくて暖かいところでやろうじゃないの」とか責められて決めたんでしょう。私としちゃ、フィアットの広報マンたちが、試乗会にかこつけてマイアミに旅行したかったんじゃないかとニラんでるんですけどね。

ホントは観光旅行かも

で、またノリがいいんだわ。トリノからマイアミまで、ジャンボを2 機もチャーターして乗り込んできたんですが、その機体にもでっかくUno!とか塗り分けてあるんですよ。あれだけでもかなり高くついたはずです。
私たち3 人の日本人は成田から普通の飛行機で、ロス経由ではるばる行ったんですが、着いた途端もう大騒ぎ。先方から来た手紙には「空港からタクシーでホリデイ・インに来い」って書いてあるんだけど、それを運転手に見せたら、「お客さん、マイアミにはホリデイ・インが3 軒あるんですぜ」だって。幸い親切な運ちゃんで、あちこち電話して探してくれたんですが、ねっ、アバウトでしょ。
で、到着してチェックインしたとしましょう。そしたら「よく来た! さっそくメシだ!」とかで、そのまま大晩餐会に突入。それもイタリア人ばかりなので騒がしいったらありゃしない。そのうち「皆さ〜ん、それでは明日のスケジュールを発表しま〜す」とか言うんで、やれやれ、やっと試乗会らしくなったかと思うじゃないですか、普通。
そしたら「明日はディズニー・ワールドで〜す」とかで、みんな立ち上がって大拍手してやんの。行きましたよ私たちも、本家ディズニー・ワールドと隣のエプコット・センター(ちょっと未来的なディズニーランド)。ぜ〜んぶ貸し切りなんで、子供なんか一人もいなくて、怪しげなイタリアのおじさんと、訳わからんでウロチョロしてる東洋人だけという、とても奇怪な光景でした。
で、夕方ホテルに戻ると、またカクテルから大晩餐会。それが終わって「皆さ〜ん、明日の───」は、なんと「ケープ・ケネディ宇宙センター見学で〜す」。わあブラボー、ぱちぱちだって。
もちろん、そっちも行きました。ちょうどスペースシャトル熱が燃え上がっていたころだったんで、それはそれで非常におもしろかったけどね。でもマイアミに着いて3 日目、まだ新型車に乗ってないどころか、見てもないんですよ。

試乗時間はたったの30分!?

そして4 日目、やっと本当に取材に漕ぎ着けたんだけど、なんとまあ信じられますか。試乗場所がレースで有名なデイトナ・スピードウェイの変形オーバルぐるぐるだけで、それも30分!で終わり。いくらなんでもひどいじゃねーかと談判したら、「じゃあ、そのままホテルまで乗って帰ってください」って、それもすぐ近所だよ。ま、そこは普段からゲリラ的に試乗するのに慣れてる私だから、30分でも山のようにメモ取って、なんとか恰好はつけましたけど、哀れだったのはシンガポールから来た若い記者で、ぜ〜んぜん乗れてないの。そこで「キミ、こっちのクルマにおいでよ」と呼んであげたんですが、彼のテスト時間は結局10分だけでした。
それでも、みんな怒るわけでもなく、その晩もまた大晩餐会やりながら、和気あいあいでだんだんフィアットが好きになっちゃったんだから、そういうオーラって、あるんですね。私、日本に帰ってから、自分でウーノ買っちゃいましたもん。

当時はサミット扱いだったフィアット車の中心的存在だったのがこのUno。全長3700mmに満たないコンパクトカーですが、イタリアの「普段着」が濃縮されているようで、日本でも割と売れたんじゃないでしょうか。なんせ熊サンまで購入したほどですしね。




このページの先頭へ戻る




Car@niftyトップへ戻る