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【Vol.61】ギョーカイ騒然の秋(2004/9/17更新)

 

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年賀状が届かぬ理由

秋です。だんだん長くなる夜に身を委ねながら、しんみり夏の思い出にひたるなんて優雅な境地になれないのが私たちのギョーカイ。この季節はなぜか新型車がじゃんじゃん出て試乗会に次ぐ試乗会、それにモーターショーもあるんで大騒ぎ。やっとそれが一段落するころには木枯らしが吹きはじめ、どのクルマ雑誌も年末進行とか浮足立っちゃうから、気がつけば年賀状を書く暇もなく正月というのが毎年の流れです。あ〜あ。
そういうわけで、私からの年賀状がまたまた届かなかった皆さんには、今のうちにゴメンナサイを申し上げておきます。こんなに慌ただしいと、正月から「早いもので、今年も残すところ364 日となってしまいました」なんて挨拶しちゃうかもしれません。
そんなこっちゃイカんなあと、いつも反省はしているのですが、反省だけならサルでもできるんで、また秋が来て、私も今週からすごいスケジュールに突入です。まずイタリアでしょ、それからイギリスでしょ、それでもって中国でしょ、それもぐるっと周遊じゃなく、その度に帰って来るんです。おまけに、ちょっと日本にいる間も西荻窪で寛げるわけじゃなく、各地のサーキットでレースの取材だなんて、好きだからいいけど、そうじゃなかったら日程だけでも労災だよ。

モーターショーは体力勝負?

そんなふうに安請け合いで日程を組んでから気が付いたんだけど、これだと楽しみにしていたパリ・サロンに行けないのね。ローマからパリの会場にニアミスで帰って来ないと次の仕事に間に合わないんです。今年のパリには注目の新型車がたくさん出るっていうのに。
でも、口では残念とか言いながら、内心ホッとしている私でもあるのですよ、正直なところ。国際的なショーは華やかだし、普段あまり会うチャンスのない向こうのメーカーの人たちと情報交換する貴重なチャンスでもあるんだけど、けっこう疲れるのね。ほんと、ショーを真面目に取材するって、体力勝負なんです。どういう感じかっていうと、こんな感じ。
たいていの国際的ショーには、一般公開の前に、報道関係だけの通称プレスデイとか、出品関係者だけの招待日とかあります。プレスデイには、世界から集まった報道関係者を対象として、分刻みのスケジュールでメーカー首脳の記者会見が開かれます。それがキツいの。たとえば午前8 時からBMW で、8 時半からプジョーで──みたいに30分ごとだったりして、それも広い会場の向こうとこっちとかだったりするわけ。会見の段取りもだいたい似ていて、社長が挨拶して新型車がベールを脱いだところにカメラのフラッシュがパカパカ光って、それから出口のところで報道用の資料の奪い合いをやらかして、大急ぎで次の会見場に走るんです。
これを夕方までやると、車輪付きの大きなカバンもいっぱいになっちゃう。おまけにヨーロッパ(特にドイツ)のメーカーが配る資料って立派すぎて分厚い。つまり重い。これがCD-ROMだけなら楽だし、最近だんだんその傾向になってますが、やっぱり印刷物のデザインも美しいし、そこにブランドのカルチャーも表現されているから、後で貴重な資料になると思うと捨てられないしねえ。

スチールVSビデオ

そのうえカメラでしょ。これもデジカメになって助かってます。以前だったらフィルムを50本ぐらい持ってなきゃならなかったから、そのカバンも嵩張ったし。余談ですけど、いつかジュネーヴ・ショーで見込みが甘くて、手持ちのフィルムを使い切っちゃったことがあります。でも会場内ではプロ用のカラーポジなんか売ってないんで、仕方なく町へ買いに行くのに、たまたま拾ったタクシーがストレッチのリムジンで、まるで大名行列みたいになっちゃいました。
この撮影も大変なんですね。ほら、メインの展示車ってターンテーブルに載ってたりするじゃないですか。それを撮るのに、いちいち係員に頼んで停めてもらわなきゃならないのも面倒なんです。向こうだって、何回も同じこと頼まれるんで面倒くさそうだし。それに最近はテレビの取材が多いのも、私たち雑誌ギョーカイにとっては、はっきり言って邪魔。だって、スチールならササッとシャッター切って終わりなのに、ビデオだと延々となめるように撮るから、終わるの待ってると時間ばかりかかっちゃうんです。そのくせ現地のホテルで夜のニュース見てると、「あっ、こいつらだ」とわかるシーンが出て来るんだけど、だいたい10秒か20秒しか使ってないのね。
私なんか最近よく思うんですよ。「なんでも言うこと聞く元気な助手を2 、3 人連れて、優雅に見て歩くだけのショー取材ができないかなあ」なんて。まあ、実際には現場から離れられない性格なんで、結局は自分でガチャガチャ突撃しちゃうんでしょうけど。だから、残念ながらパリ・コレにニアミスの今年、そのぶん体力は温存できたかな───ってか。

モーターショーの現場は、さながら戦場。資料の奪い合いから、カンファレンスの撮影ポジション取り、そして各ブースでは撮影のタイミングを見計らい、決められた時間内ですべてをこなさなければなりません。これまでは雑誌とテレビの取材ばかりでしたが、最近はWEB関係も増えて、さらに凄いことに……。




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