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【Vol.67】私が裏切り者になる理由(2004/10/29更新)

 

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500円玉貯金で買うクルマ

今、500 円玉貯金してます。釣り銭に500 円玉が混じっていたら使わないで、家に帰ってから空き缶に放り込むだけですが、習慣になるとけっこう貯まるもんで、もう累計ウン万円になりました。塵も積もれば山っていうのは本当です。
余談ですが、ちょっと前まで台所の湯沸器って、小さな口火がチョロチョロしてたでしょう。あれ、たいてい朝から晩まで点けっぱなしでしたよね。それを全国の家庭でマメに消すだけで、なんと四国のガス消費量が賄えたんだとか。だったら、各自がちょっと運転を工夫して燃費を5 %だけ良くしたら(つまり10km/lだったのを10.5km/lに伸ばしたら)、それだけで日本のエネルギー消費量と温暖化ガス排出量が激減すると思うんですけどね。
それはともかく、500 円玉を貯めだしたのは、何年か前にフルチェンジしたのがきっかけでした。あれからしばらく、たいていの自動販売機には「新500 円硬貨は使えません」ってステッカー貼ってあったの、覚えてますか。今じゃ「旧500 円は使えません」っていうのが増えたけど。そこで私は500 円玉は使えないお金と割り切ることにして、片っ端から空き缶に放り込むことにしたわけです。根がケチだから、こうなると意志が堅くて、ちょっと何枚かつまみ出して使うなんて、絶対しません。
もっとも、しょせん硬貨は硬貨だから、目方だけはズッシリ重くても、これだけで数百万円も1000万円も行けるとは思ってませんが、もし本当にそうなったら、クルマ買います。それも高性能車。いくら貯まったかによりますが、そこそこだったら06年にデビューと噂の三菱ランエボX。もうちょっとあったら07年登場予定の次期ニッサンGT-R。めいっぱい行けてたら、たぶん06年あたりのポルシェかな。

さんざんイジめたランエボとGT-R

なぜかというと、あちこちの誌面で「還暦までは低公害車、還暦過ぎたらスーパーカー」って宣言?しちゃったから。あと2 年なんですよぉ。これ、けっこうマジなつもりで書いたんだけど、還暦までは現役バリバリでみんな働くじゃないですか。ってことは走行距離も多いからガスもたくさん出すんで、世の中のためにも低公害車に乗らなきゃイカンと思うわけ。少なくとも毎日使うメインのクルマはそうですよね(私は今プリウスです)。
で、めでたく還暦を迎えたとして、ちょっと一息ついて、これからは自分のために時間を使う悠々自適の境地に達したら、イカすスポーツカーなり何なりを楽しむっていうのが、かなりいいスタイルだと思うのであります。そこでポルシェは別として、なんでランエボやGT-Rを候補にしたかというと、これまでさんざんイジめたから。ほんと、私ほどこの2 車を批判し続けた自動車評論家って、ほかに日本にはいないと思います。どう書いてきたか、ここで詳しくくり返す余裕はないけど、ここまで叩いてあとは野となれ山となれじゃ、可哀相じゃありませんか。そこで事情通に聞いたら、次のモデルとか次の次は、私の目から見てもかなり魅力的というか、認められる仕立てになってるらしいんです。それなら、そろそろ仲直りも悪くないでしょう。
でも私には困った病気があって、実は「その日に乗ったクルマが一番ほしいクルマ」だったりするんです。あいにくロータスの本社に行った時にもその症状が出て、思わず「そうだ、エクシージ貯金を始めよう!」とか叫んじゃったのね。そしたら何ヵ月かたって、「その後どうですか、貯金は順調ですか」とかメールが来ちゃったりして。もちろん全部は買えませんから、あと2 〜3 年したら、私はあちこちで裏切り者扱いされることになるでしょう。

またいつか、どこかでお会いしましょう

───と、ここまで書いたところでシスオペ(って言うんですか)から連絡があって、このコラムもこれが最終回なんだとか。ずいぶん勝手なことばかり書かせてもらって、私は楽しんでましたが、皆さんよく耐えてくれました。ありがとうございます。楽しかったのは、普通のクルマ雑誌じゃ、こんなに毎回あちこち糸の切れた凧みたいに話題を飛ばせないのに、ここじゃ何でも許してくれたこと。せっかく「西荻窪」と銘打ちながら、私自身が全国各地どころか海外にも飛びっぱなしで、そのぶん話題もすっ飛びまくりでした。まあ、考えてみれば、1969年にクルマ雑誌の編集部に潜り込んでからの35年、いろいろな面で自動車ジャーナリストとして最も恵まれていた世代かもしれません。その間に日本の自動車産業も信じられないほど大きくなったし、私たちも自由に世界を飛び回れるようになったし。その結果、塵も積もれば山というわけで、溜まった知識とか体験を無秩序に書かせてもらっているうちに、ずいぶん回を重ねてしまったわけです。こんなヨタ話でよろしければ、またいつか、どこかでバッタリ出会うかもしれないので、その時はあらためてよろしくお願いします。

これまで多方面で熊さんに酷評されつづけたランエボこと三菱ランサーエボリューションと、ニッサン・スカイラインGT-R。もちろん叩くだけではなく、将来的には購入してみようってのが、いかにも熊さんらしいところじゃないでしょうか。ちなみに写真はランエボの現行モデル、VIII MRです。




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