トヨタ自動車は9月19日、レクサス・ブランドのフラッグシップサルーン「レクサスLS」を発売した。これまで国内ではセルシオのネーミングで販売されてきた車だが、去年レクサス・チャンネルが国内で開業したのに伴って新型モデルは全世界共通の名前であるLSで売り出された。
主なポイントとして「品格と美しさを兼ね備えたデザイン」「卓説した走行性能と高い環境性能」「高い安全性能と最新技術による運転支援システム」「“おもてなし”の心を表現した快適な室内空間」の4つが挙げられている。
外観デザインはレクサス車共通のテーマ「L-finesse」が具現化されていて、存在感のある雰囲気に仕上がっている。ほかのレクサス車と同じくウインドウまわりには矢印をモチーフにしたアローヘッド処理も織り込まれている。サイドビューはキャビンを長く見せるプロポーションに躍動感を演出。
新開発された1UR-FSE型V型8気筒エンジンの排気量は4600cc。吸排気連続可変バルブタイミングのデュアルVVT-iでは吸気側に電動モーターが組み込まれていて、エンジンの回転域および温度領域を問わず吸気バルブのタイミングが制御される。また、各シリンダーに筒内直接噴射インジェクターとポート噴射インジェクターの両方が備わるD-4Sも採用。エンジンとともに世界初の電子制御8速ATも新しく開発され、0→100km/h加速を5.7秒、80→120km/h加速も4.7秒でこなす。この実力を持ちながら全モデルとも「平成17年基準排ガス75%低減レベル」の認定を取得し、10・15モード燃費で9.1km/Lを記録している。なお、生産工場では組み付け後に全てのエンジンが測定&検査され、聴診器を使って異音が発生していないことまで確認されているという。
サスペンションは前後マルチリンク式の電子制御エアサスペンションだ。路面からの振動を滑らかなにいなすエアスプリングと減衰力応答性に優れたモノチューブショックアブソーバーが使われている。アブソーバーの減衰力特性を制御するAVS機能も装備されているため、路面状況やステアリング操作によって変わる車両の挙動も滑らかに抑えられる。
電動パワーステアリングはギヤ比可変(VGRS)タイプ。駐車時やUターンの際にはギヤ比が小さくなって取り回しやすさが向上する。そして車両速度が上昇するにつれてギヤ比が大きくなり、穏やかで安心感のあるフィーリングへと変わっていく。このVGRSはエンジン出力、ブレーキとともに統合制御されてアクティブステアリング統合制御(VDIM)を構成。
運転支援システムではプリクラッシュセーフティシステムが代表的な装備に挙げられる。これはフロントグリルに内蔵されたミリ波レーダーとルームミラー近くに装備される新開発ステレオカメラが障害物を検知するというもの。ドライバーが正面を向いているかどうかを検知するドライバーモニターも装備されている。これらの検知によって衝突の可能性があると判断した場合、ブザー音とメーター内の表示によって警告。同時にブレーキは踏んだ時に最大限の制動力が得られるようにスタンバイモードに入り、先のVGRSは回避操作に適したステアリングギヤ比に切り替わる。最終的に衝突が避けられない場合には前席のプリクラッシュシートベルトが作動し、ベルトが引き込まれる。同様にブレーキ操作も行なわれてなるべく衝突速度が抑えられる。
さらに、LSでは後方車両の追突を検知する後方プリクラッシュセーフティシステムも世界初採用。フロントと同じく、リアバンパーにミリ波レーダーが内蔵されていて後方車両との距離や相対速度によって衝突の危険性が判断される。第一ステップとしてハザードランプが点滅して後方車両に注意を促し、それでも衝突される可能性が高い場合には運転席ヘッドレストが前方に移動してむち打ち傷害軽減が図られる。
室内はスイッチの操作フィーリングや各種収納スペースのフタ類の開閉スピードにまでこだわって造られ、オーナーの心に響く“おもてなし”を演出。キャビン内の酸素濃度低下を抑える世界初の酸素濃度コンディショナー、4席独立温度調整オートエアコン、19個のスピーカーで構成される「マークレビンソン・リファレンスサラウンドシステム」、スイッチ操作によって自動開閉も可能なパワートランクリッド、アルカンターラ内張り天井もグレードに応じて標準装備またはオプション設定されている。
税込み価格は最も安いLS460の770万円から、後席まわりの装備が充実しているVIP送迎需要をターゲットにしたバージョンU・Iパッケージの965万円まで。月販目標台数は1300台。