
ボルボきってのスポーツモデルS60も、今年2代目へと進化。これを6月にポルトガルはリスボンで試すことができた。
新たなS60最大の特徴はXC60から始まるボルボの新世代デザインをさらに推し進めたこと。写真からも判るように、FFサルーンながらも極めてアグレッシブなクーペ風のエクステリアが先代よりもさらにスポーティな表現で展開されている。
一方インテリアもボルボのアイコンになりつつあるセンタースタックを、XC60同様ドライバー側へオフセットしてドライバーズカーであることを静かに物語らせるなど細かな部分にまでこだわりを注入した。
試乗したのは2.0Lの直4直噴ターボ(203ps/30.6kgm)+FFの「2.0T」と、3.0Lの直6ターボ(304ps/44.8kgm)+AWDのT6の2種類。T6は上級モデルに相応しく重厚な感覚が印象的で、AWDによる高いスタビリティが光っており、どこまでも路面を捉え続ける安心感に溢れた走りが魅力だ。
だが何といっても印象的なのは2.0T。パワー/トルクも十分どころか、むしろ「これがいい!」といえるだけの魅力に溢れていた。その魅力とはエンジンだけでなく、ハンドリングも含めクルマ全体に良い意味でライトな感覚が溢れており、イマドキに相応しい軽快な乗り味走り味を披露してくれたのだった。
この2.0Lの十分以上に感じる動力性能からすると、日本導入時に用意されるだろうさらにハイパワー版となる2.0Lの直噴ターボはプラスαの動力性能を感じさせるだろうし、1.6Lの直噴ターボにもかなり期待することができるはずだ。
今回のS60、ボルボとしてはかなり「スポーツ」の言葉を強調していたが、それでもドイツ勢のスポーツとは一線を画す豊かなボルボらしい感触は決して忘れられていない。その意味では他にはない味わいを持った新世代ボルボ。つい先日発表されたワゴン版のV60とともに、このクラスの新たな選択肢として有力なものになるだろう。気になる日本導入は来年の早い段階に実現するという。
ワインディングでもFFおよびFF派生AWDらしく、どこまでもオンザレールの安心感が高いハンドリングを味あわせてくれる。特に2.0Tは軽快なハンドリングで、非常にしなやかで気持ちよいライド感を提供してくれる。この辺りはボルボの解釈によるスポーツが存分に反映されているといえる。つまりドイツ勢のハードなスポーツとは一線を画す暖かみに溢れているのだ。
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河口 まなぶ(自動車ジャーナリスト)
日本カー・オブ・ザ・イヤー2010-2011 選考委員
1970年5月9日茨城県生まれAB型。
当初から一貫して”自動車の楽しさ気持ち良さ”を追求し続け活動を行う。
雑誌/web/TV/新聞のみならず、ユーザーと直接対話するイベントも開催している。